2021
06.12

歴史に置き去られた世界の廃墟たち…不気味で美しき9つの場所

国際ニュースまとめ

<予期せぬ事態や時代の変化のために忘れ去られた場所──廃墟の魅力を象徴する9カ所を世界各地から紹介> 不気味な雰囲気をたたえつつ、歴史や冒険、さらには超自然を愛する人々の好奇心をかき立てる廃墟。古い採掘トンネルから砂漠の中の映画セットまで、とびきり魅力的な世界各地の「忘れ去られた場所」を紹介しよう。 ===== 01. イースタン州立刑務所 フィラデルフィア(アメリカ) DAVID EVISON/ISTOCK 1829~1971年に使われていた刑務所で、建設当時はアメリカ最大の建物だった。受刑者の拷問が頻繁に行われていたことで悪名高く、その跡は世界有数の心霊スポットとされている。人影を見た、足音や泣き声、叫び声を聞いたという報告が今も絶えない。 ===== 02. シティーホール駅 ニューヨーク(アメリカ) PETER PRAUM/ISTOCK 1945年に閉鎖された地下鉄駅。ホームのカーブが急過ぎて、長い編成の列車に対応できなかったことが理由だ。ステンドグラスの天窓や色鮮やかなタイル、レンガ造りの壁やシャンデリアなど、芸術的な内装がそのまま残る駅舎は宝箱のよう。ニューヨーク交通博物館がツアーを提供している。 ===== 03. 列車の墓場 ウユニ(ボリビア) MATTHEW WILLIAMS-ELLISーUNIVERSAL IMAGES GROUP/GETTY IMAGES ウユニは19世紀後半から20世紀前半に塩や鉱物資源産出の拠点として栄えたが、その後は衰退。輸送用の鉄道網も使われなくなり、ウユニ塩原は1940年代までに列車の墓場となった。厳しい天候にさらされて劣化した車両にはもの悲しさも漂うが、よじ登って写真を撮ればインスタ映えすること請け合いだ。 ===== 04. ホエーラーズ湾 サウスシェトランド諸島(南極) Goddard_Photography-iStock サウスシェトランド諸島南端のデセプション島にあるこの入り江には、1906年から捕鯨船の船員たちが暮らしていた。だが、鯨油の価格下落と大恐慌の影響で生活が維持できなくなり、撤退。残されたのはさびついた設備や朽ちたボート、雪に埋もれた建物だけだ。 ===== 05. マンセル要塞 イングランド(イギリス) NEIL BROWNーMOMENT/GETTY IMAGES イングランド東部の沖合にそびえ立つこれらの要塞は、第2次大戦中に対空防衛のために建設されたもの。1950年代には役目を終えて使われなくなり、現在はさびついて腐食している。戦争の最も暗い日々を思い出させる存在で、今も近くを船で通れば残骸を目にすることができる。 ===== 06. スター・ウォーズの撮影セット トズール近郊のサハラ砂漠(チュニジア) MIKEL BILBAOーVWPICSーUNIVERSAL IMAGES GROUP/GETTY IMAGES 「スター・ウォーズ」シリーズの惑星タトゥイーンの場面は、大半がチュニジアで撮影された。『エピソード4/新たなる希望』に登場するルーク・スカイウォーカーが幼少期を過ごした家のセットは、現在も砂漠に残っている。今では一部が劣化し、砂漠にのみ込まれる危機に瀕している。 ===== 07. 萬里飛碟屋 新北市(台湾) PHILIPP CHISTYAKOV/GETTY IMAGES 台湾の新北市にあるUFO型住宅群。FUTUROハウスと呼ばれるこれらの住宅は、1970年代に観光客や富裕層向けの海辺の大規模リゾート開発に伴って建設された。財政難により建設計画は中止に。今では風変りな外観と色あせたパステルカラー、朽ち果てた様子が相まって、奇妙な雰囲気を醸し出している。 ===== 08. 軍艦島(正式名・端島) 長崎県(日本) SUI BA JINGーEYEEM/GETTY IMAGES 約1.2キロ。かつて海底炭鉱の開発で栄え、炭鉱作業員が暮らす場所として1つの町になった。最盛期の1960年には5300人近くが住み、人口密度は世界で最も高かったという。74年に炭鉱が閉山となり、島には誰もいなくなった。 ===== 09. グローワーム・トンネル ニューサウスウェールズ州(オーストラリア) BEN GUNSBERGER/GETTY IMAGES シドニーから数時間のウォレマイ国立公園にあるこのトンネルは、1900年代初頭に鉱山用の鉄道の一部として造られた。長年使われておらず中は暗くてじめじめしているが、ツチボタルの観測場所として有名。数え切れないほどのツチボタルが放つ青緑色の光が、廃トンネルの中を美しく照らす。

Source:Newsweek
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