06.04
<北朝鮮内部>金政権を悩ませる資料流出…電子化で対策(2) 宣伝事業専用サイト『ラッパ手』が登場 「印刷物を持ち歩く人はいなくなる」

北朝鮮政権が「ナッパルス」(ラッパ手)というインタトラネットのプラットホームを立ち上げて、宣伝扇動事業で使う文書の全面電子化に乗り出していることが分かった。取材協力者によると、最近、中央の機関で作成された資料は、印刷されずに「ラッパ手」を通じて閲覧するようになっており、紙の文書はほぼ姿を消したという。情報流出を防ぎ、管理効率を高めようとする意図だとみられる。(チョン・ソンジュン/カン・ジウォン)
<北朝鮮内部>金政権を悩ませる資料流出…電子化で対策(1) 「秘密流出防げ」という指示文書が流出 入手・公開
◆電子化される扇動事業、紙の資料は激減
2010年代前半まで、北朝鮮の内部資料は、実物が中国に持ち出され後、海外メディアに発表されるケースがほとんどだった。当局の管理統制が厳しくなると、国内で紙の資料を撮影した写真データが流出するようになった。頭を痛めた金正恩政権は、この5年ほどの間に、漸次、印刷から電子化への移行が進んでいた。
北部地域に住む取材協力者は5月中旬、宣伝扇動用の資料の管理がさらに電子化されているとして、次のように伝えてきた。
「今は紙で書かれた資料はめったに見なくなった。講演資料は(担当者に)イントラネットに接続されたコンピュータを通じて配信されている。『ナッパルス(ラッパ手)』という名前の専用ページだ。金正恩の偉大性学習や情勢講演、非社会主義批判などの電子資料が、毎日の『読報』の時間に使われている」
※細胞とは労働党の末端組織のこと。
※読報とは、学校や職場で毎朝の日課を始める前に、労働新聞や党政策の内容を読み聞かせる宣伝、教育方法のこと。主に細胞の責任者や各組織の宣伝扇動担当者が行う。
◆新プラットホーム「ラッパ手」の登場
中央政府が機関別に作成した宣伝扇動用の資料は、この「ラッパ手」というイントラネット上のサイトを通じて各機関や地方組織に送信されるというわけだ。「『ラッパ手』は誰でも接続できるわけではなく、アクセス権は、宣伝扇動要員に限られていて、携帯用コンピュータ(ノートパソコン、あるいはタブレット型コンピュータ)で見ることができる」と協力者は説明する。
◆紙の印刷物は回収まで報告
一般の出版物の流通も激減しているという。この協力者は、居住地が中国との国境地域であるため特に統制が厳しいと断りつつ、次のように説明する。
「労働新聞以外は、印刷物に接することが少なくなった。雑誌もだんだん消えていっている。文書資料は紙の浪費と言われて、企業などにあるコンピュータで見るようになった。印刷物は、使用後は印刷所で回収して報告する仕組みにで、閲覧できる人も決まっており、以前のように宣伝部の幹部の家に行って(廃棄された文書を)ちり紙としてもらうということも、今では不可だ」
「ラッパ手」登場など、宣伝扇動事業の電子化は、新しいデジタル技術を活用することで、国内の情報が外部へ流出するのを防ぎ、監視と統制の効率を高めようという当局の戦略だと分析できる。
※アジアプレスでは、中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。

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Source: アジアプレス・ネットワーク

