2025
05.21

「中立ではなく虐殺の共犯者」。イスラエル企業が出展、武器見本市前で抗議集会

国際ニュースまとめ

DSEI Japanの開催に反対する市民の集会(2025年5月21日、千葉の幕張メッセ前)DSEI Japanの開催に反対する市民の集会(2025年5月21日、千葉の幕張メッセ前)

「死の商人国家に堕落するな」「殺傷能力誇示展は中止を」━。

国際的な武器見本市「DSEI Japan」が5月21日、幕張メッセ(千葉)で開幕した。イスラエルの大手軍需企業や、イスラエルに武器を輸出している欧米企業もブースを構える中、会場の出入り口付近では市民が開催に反対する抗議集会を開いた。

DSEI Japanは2019年に日本で初めて開催され、2023年に続き今年で3回目。プレスリリースによると、今年は過去最多となる450以上の企業・団体が出展し、防衛省や経済産業省、外務省、警察庁など複数の政府機関が後援している。

会場では、国別で企業がブースを設置し、武器の見本やPR映像などを展示していた。

エルビット・システムズやイスラエル・エアロスペース・インダストリーズ、ラファエルなど、イスラエルの軍需企業も多数出展している。

このほか、ボーイング、ロッキード・マーチン、BAEシステムズ、RTXといった欧米企業も出展リストに加わっている。これらの欧米企業はいずれも、国連人権理事会の特別報告者などの独立した専門家たちが2024年6月に連名で発表した声明で、イスラエルに武器を供給している軍需企業として名指しされている。

イスラエル企業エルビット・システムズのブースには、自爆型ドローン「SkyStriker」の見本も展示されていた。SkyStrikerは、防衛省が導入を計画している小型攻撃用ドローンの候補機の一つで、同省はすでに実証試験を終えている。

SkyStrikerをめぐっては2025年4月、民間人が身を寄せるガザの避難民テントへの爆撃に使われたと、アルジャジーラなどの海外メディアが報じている

「人殺しの武器を、公共施設で堂々と展示させている千葉県と幕張メッセ、それを後援している防衛省、経産省、外務省、警察庁には、恥を知れと言いたい」。抗議集会で、武器取引反対ネットワーク(NAJAT)代表の杉原浩司さんはそう批判した。

「戦争の意味を知っているはず」

パレスチナ人のハニン・シアムさんは、「ガザでは人々が意図的に飢えさせられ、生きたまま焼かれ、病院や学校、住宅に爆弾を落とされています。空爆の中で出産する母親、自分が次に殺されることを知って腕に名前を書く子どもたち。状況は最悪を更新し続けています」と述べ、こう続けた。

「千葉では、その虐殺で利益を得ている企業たちを歓迎しています。あなたたちは中立ではありません。虐殺の共犯者です。あなたたちは戦争の意味を、原爆の炎を、都市が焼かれた記憶を知っているはずです」。

「幕張メッセでの武器見本市に反対する会」の谷口初江さんは、自社の武器を「戦闘で実証済み」と謳うイスラエル企業が出展していることについて、「多くの子どもたちを含む民間人の犠牲を、武器の性能に置き換えて幕張メッセでアピールしているのを、そしてそれを政府関係者や各国の企業が当然のように取引の判断材料としているのを、許すわけにはいきません」と訴えた。

集会の参加者たちは、「武器で稼ぐな」「虐殺加担やめろ」などと声を上げたほか、地面に横たわる「ダイ・イン」行動で抗議の意思を示した。

DSEI Japanは5月23日まで開催予定。

DSEI Japanに出展しているエルビット・システムズのブース。SkyStrikerの見本も展示されているDSEI Japanに出展しているエルビット・システムズのブース。SkyStrikerの見本も展示されている
DSEI Japanの会場前で行われた「ダイ・イン」行動(2025年5月21日、幕張メッセ)DSEI Japanの会場前で行われた「ダイ・イン」行動(2025年5月21日、幕張メッセ)

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Source: HuffPost