10.29
日本人ムエタイ兄弟「そうま(16歳)」「ゆうま(15歳)」共に、ラジャダムヌンスタジアムでKO勝ち
2023年10月28日(土)にラジャダムヌンスタジアムで行われたRWS(ラジャダムヌンワールドシリーズ)で、タイで活動する日本人のムエタイ兄弟、”石田そうま”と”石田ゆうま”が揃って出場し、共にKO勝ちを収めた。
RWS(ラジャダムヌンワールドシリーズ)は、スタジアム側が最も力を入れている毎週土曜日のイベントで、試合の模様は世界中にDAZNにて発信されている。この日は現地ムエタイファンの注目する中で、石田兄弟をはじめ、五人の日本人選手が出場して熱闘を繰り広げた。
第二試合、先に登場した弟の石田ゆうまは、50戦のキャリアを誇る20歳のタイ人ファイター、センセーブと対戦、やり難さを感じさせる長身のセンセーブに対して、初回は2分過ぎまでは互角の展開、センセーブが距離を詰めて強烈な左右ヒジ攻撃を仕掛けるも、ゆうまは終始相手をよく見ている。そして、右ハイキックがセンセーブの顎を一閃すると、センセーブは横倒しになる強烈なダウン。やっと起き上がったセンセーブに左右パンチ、ヒジ連打を繰り出して、強烈なダウンを追加すると、レフェリーは即試合をストップした。センセーブは起き上がれず、担架で運ばれる衝撃的な初回KO勝利となった。
石田兄弟が普段練習しているロンポージムからは「あの前蹴りはよくジムで練習しており、RWS初戦という大事な試合の中でそれが出せて良い結果となった」とコメントがあった。
一試合をおいて第四試合に登場した石田そうまは、モロッコ人のアヨブ・エマルガリと対戦、これまで26勝5敗、アマチュアの国際大会での優勝経験もある、28歳のアヨブの実績から、そうまの苦戦が予想された。初回、そうまは、開始20秒にアヨブの右ストレートを顔面に喰らい、バランスを崩してロープ際に後退し、あわやダウンかの一撃となった。ダメージはなく、そうまは、ここを落ち着いてやり過ごすと、右ヒジをアヨブの顔面に決めた。アヨブは腰から落ちるようにダウン、立ち上がったアヨブを攻め、パンチでダウンを追加し、初回1分47秒でKO勝ちを収めた。
モロッコの難敵を早々に倒した”そうま”と、先に勝利を飾った”ゆうま”、共にRWS側の評価は非常に高く、引き続き、RWSへの出場オファーがある見込み。RWSからの試合前の公式インタビューで「好きなアニメ」について聞かれて、「グラップラー刃牙」(ゆうま)、「ONE PIECE」(そうま)、と答えていた兄弟は、普段は一見普通の15歳、16歳の少年である。兄弟が今後もどんな試合をタイで魅せていくのか興味深いところ。
試合会場の様子(メインの石井戦)
この日は、タイ人選手同士のラジャ認定フェザー級タイトルマッチが流れ、日本のK1でも活躍する、BOMスーパーフライ級王者石井一成と、ラジャバンタム級王者のパンコ―・ポー・ラクブンとのノンタイトル戦がメインイベントとなった。石井は初回左フックでダウンを奪われ、逆転を狙って果敢に攻めるもパンコ―に逃げ切られて判定負け。9月のラジャ遠征では元ラジャ王者に強烈なKO勝ちを収めていたが、今回は勝利は叶わなかった。
セミファイナルでは、元ラジャミニフライ級王者の奥脇竜哉がデックピチャーイ・ナーウィーアンダマンと対戦したが、これも判定負けとなった。
また、タイトルマッチ中止の影響で、急遽追加された、タイで活動する”侍ファイター”中村慎之介対ジェレミー・デヴェレス(フランス)については、中村が初回を押さえるも二回はジェレミーに取られ、三回は互角の展開で惜しい判定負けとなった。
日本人選手出場の五試合は、石田兄弟の二勝の他は日本人三敗となったが、それぞれが高レベルでの好試合を魅せていた。
石田兄弟はラジャダムヌンスタジアムでの試合を中心に、プロ活動を続けていくが、試合の予定は、所属のロンポージムのFacebookページなどでアップされる。
■ロンポームエタイボクシングジム
https://www.facebook.com/009009rompo
photo credit : RWS (Rajadamnern World Series)」
<寄稿・Odasai(https://note.com/odasai_oda)>
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