2022
06.13
06.13
<北朝鮮内部調査>過酷すぎる今年の農民生活 農場の食糧底つき飢え蔓延 コロナで人手足らず夜間に草取り さらに干ばつ被害も
◆飢える「絶糧世帯」が増加
――農村の食糧事情はどうか? A農場では、すでに4月に飢える人が出ているとのことだったが?
D 深刻だ。絶糧世帯が4月より増えている。1つの分組員は10数人程度だが、半分近い4~6人程が絶糧世帯に分類されたそうだ。1日1食、2食しか食べられない人も多く、顔にむくみが出ている人が少なくない。
※絶糧世帯とは、現金も食糧も尽きてしまった家庭のこと。
――農民の飢えに対し政府はどんな対策を取っているのか?
D 今のところ国家的な支援は何もなくて、郡と農場が自ら解決しろという指示があるだけだ。コロナで封鎖した都市の住民に優先的に食糧を回したため、農村には与えるものがないのだそうだ。
昨年までは、秋(の収穫時)に精算する約束で、農民に分配分を前渡しする予備食糧が農場にあったのに、国がそれをやめさせた。さらに個人の高利貸しが農民に貸し付けるのを、「非社会主義行為」だと強力に取り締まったため、農民たちは借金して食べることもできない。それなら国家が貸し出せと、農民たちから要求が出ている。
農村の現状が深刻なので、政府は幹部を農村に派遣して問題を解決する措置を取ったと宣伝だけはしているが…。今年の農業は失敗だ。
――都市では封鎖が緩和されて、労働者を農村に送り始めたというが?
D 企業ごとに「農村動員突撃隊」を作って動員を始めた。移動が増えるとコロナが広がる可能性があるので、農作業が終わるまでずっと農村にいさせるのが原則だそうだ。コロナが安定すれば、スプーンを持てる人間はすべて農村に動員する方針だ。
※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。
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Source: アジアプレス・ネットワーク
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