2022
03.16

『森のムラブリ インドシナ最後の狩猟民』名越康文氏ら各界著名人より推薦コメント到着

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『森のムラブリ インドシナ最後の狩猟民』名越康文氏ら各界著名人より推薦コメント到着

タイ北部やラオス西部の山岳地で暮らし、狩猟採集生活をおくる400人程度しかいない少数民族「ムラブリ族」。そんな彼らの謎に包まれた姿を撮影したドキュメンタリー映画「森のムラブリ インドシナ最後の狩猟民(Mlabri in the Woods)」が、2022年3月19日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか日本全国で順次公開されます。


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ラオスの森の民がわたしたちに教えてくれること

人食い伝説によって、たがいに憎しみあうムラブリ族に日本の言語学者が対話の力で融和をもたらす映像人類学の可能性を切りひらく、かつてない冒険!

バナナの葉と竹で寝屋をつくって野営し、平地民から姿を見られずに森のなかを遊動するムラブリ族の生活。タイ人は彼らを「黄色い葉の精霊」と呼んだ。
本作は、6 ヶ国語を自由に話し、文字のないムラブリ語の語彙を収集する、言語学者・伊藤雄馬とともに足かけ2年、ムラブリ族を追ったドキュメンタリー。伊藤はラオスで狩猟採集を続けるグループへの接触を試み、カメラは世界で初めて、ムラブリ族の謎めいた生活を撮影することに成功。ムラブリ族は言語学的に 3 種に分けられることが判明し、お互い伝聞でしか聞いたことのないタイの別のムラブリ族同士が初めて会う機会を創出する。また、今は村に住んでいるタイのムラブリ族の 1 人に、以前の森の生活を再現してもらうなど、消滅の危機にある貴重な姿をカメラに収めた。

インドシナ半島の密林におけるサステナブルで、政府からも自由なアナーキーな生き方を見つめることで、文明社会で暮らす私たちにも、「真に重要なことは何か」が見えてくる。

カナダ北部で暮らすイヌイットの文化・習俗を記録した 1922 年の映画史上初のドキュメンタリー映画『極北のナヌーク』から 100 年、日本発の映像人類学のドキュメンタリーとして、シアター・イメージフォーラムにて今週 3 月 19 日(土)より公開されるのを前に、推薦コメントが届いた。

 

映像人類学のドキュメンタリー映画『森のムラブリ インドシナ最後の狩猟民』名越康文ら各界著名人より推薦コメント到着!

<今福龍太氏(文化人類学者)コメント>

いかなる外形的な財も持たぬ民。そのなにもない移動生活から発散される、おどろくべき無形の富を発見せよ。

<甲野善紀氏(武術研究者)コメント>

この映画を見て何よりも思ったことは、「文明は人々を幸せにしたか」ということ。幕末から明治にかけて日本に来た西欧人が日本の印象を書いた多くの紀行文や感想文をまとめて考察した『逝きし世の面影』(渡辺京二著)には、日本の村の美しさや、人々が幸せそうにしている驚きが数多く記されている。そして、同時に、この幸せな国にやがて西欧文明が入ってくることで、この美しく幸せな風景が失われていくことを予感し、嘆いている記述が紹介されている。
その事が、この映画を観てあらためて思い出された。
昔の環境が失われていようと、とにかく人は生きていかなければならない。新しく入ってきた文明と森の生活と、それをどう折り合いをつけて生きるか、今は人それぞれ、とにかくその日その日を生きているようだ。

私の個人的印象としては、映画に出ている人物の鉈の使い方が決して上手ではなく、この森の生活と文明との折衷を、どこに置き、どう生きていくのかの迷いが、そこに象徴されているように思えた。

<名越康文氏(精神科医)コメント>

この映像は本当に不思議である。だからあまり解説をしたくない気分に苛まれる。
現代人の側からみれば、彼らの日常には何の創造性もない。ところが見ている私に、こんなにも大きな充足を与えるのだ。
こういうと、きっと近代精神の文脈は懐古趣味とか自然回帰願望ととらえるだろう。しかしそれは根本的に違う。要するに彼らには空虚が無いのだ。
我々はあらゆる便利さを手に入れた結果、暇(空虚)を作ったにもかかわらず、今度はその暇を埋めることに必死になり、更には他人と様々なことがらを見比べまでして憔悴している。
ただそれだけのことなのだ。
生きられる時間を何で埋めるか。我々は彼らに比べて、その事に多分に強迫的であるだけで、未だに何ら主体的ではないのだ。

<光岡 英稔氏(武術家/武術研究家/国際武学研究会 代表)>

自然に従うことに選択肢はない。そのことが体感覚としてあるが故の諦めと、彼らのやる気のなさに可能性を感じさせてもらった。

渋谷のシアター・イメージフォーラムでの上映は、10:45 からと 17:30 からの 1 日 2 回。
下記の日程の上映後のトークイベントが決定している。(追加のトークイベントについては、公式 SNS で発表予定。)

3/19(土)10:45 の回 伊藤雄馬(出演)、金子遊(監督)
3/20(日)10:45 の回 相澤虎之助(空族/映画監督・脚本家)
3/21(月・祝)10:45 の回 関根秀樹(『縄文人になる!』著者)
3/23(水)17:30 の回 長本かな海(身体人類学)←NEW
3/26(土)10:45 の回 奥野克巳(文化人類学者)
3/27(日)10:45 の回 宮台真司(社会学者)
4/2(土)10:45 の回 名越康文(精神科医)
4/3(日)10:45 の回 今福龍太(文化人類学者)

【あらすじ】
タイ北部ナーン県のフワイヤク村は、400 人のムラブリ族が暮らす最大のコミュニティ。
男たちはモン族の畑に日雇い労働にでて、女たちは子育てや編み細工の内職をする。無文字社会に生きるムラブリ族には、森のなかで出くわす妖怪や幽霊などのフォークロアも豊富だ。
しかし、言語学者の伊藤雄馬が話を聞いて歩くと、ムラブリ族はラオスに住む別のグループを「人食いだ」と怖れている様子。
伊藤とカメラは国境を超えて、ラオスの密林で昔ながらのノマド生活を送るムラブリを探す。ある村で、ムラブリ族が山奥の野営地から下りてきて、村人と物々交換している現場に出くわす。それは少女ナンノイと少年ルンだった。地元民の助けを得て、密林の奥へとわけ入る。はたして今も狩猟採集を続けるムラブリ族に会えるのか? 21 世紀の森の民が抱え
る問題とはいったい何なのか?

 

森のムラブリ インドシナ最後の狩猟民

2019 年/85 分/ムラブリ語、タイ語、北タイ語、ラオス語、日本語/カラー/デジタル

[監督]
金子遊
[出演]
伊藤雄馬 パー ロン カムノイ リー ルン ナンノイ ミー ブン ドーイプライワン村の人びと フアイヤク村の人びと
[撮影・編集]
金子遊
[現地コーディネーター・字幕翻訳]
伊藤雄馬
[パブリシスト]
登山里紗
[デザイン]
三好遙
[製作]
幻視社
[配給]
オムロ 幻視社
[協力]
多摩美術大学芸術人類学研究所、京都大学東南アジア地域研究研究所
[ウェブ]
https://muraburi.tumblr.com/
https://twitter.com/muraburi 
https://www.facebook.com/muraburi

©幻視社

3月19 日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

 

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『森のムラブリ』 – 映画

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