12.31
韓国「米国と南北終戦宣言に合意」、米国「…」、識者「米国は韓国の立場をただ聴取しているだけ」
ネッド・プライス米国務省報道官は、韓米間の終戦宣言文案合意の有無を問う中央日報の質問に29日(現地時間)、「北朝鮮との対話・外交を通じて韓半島(朝鮮半島)の恒久的な平和を達成することに専念している」と答えた。終戦宣言の文案が合意に至ったという鄭長官の発言が事実かという質問に、事実上、回答を避けたまま対北朝鮮政策の原則論を紹介するピントのずれた答えに近かった。
プライス報道官は「調整され、実用的なアプローチの一環として対北朝鮮関与を引き続き模索する」とも述べた。北朝鮮に対する既存の国務省の立場表明と一言一句違わなかった。このような立場表明は終戦宣言に限ったものでもない。
崔英森(チェ・ヨンサム)外交部報道官は、30日の定例記者会見で終戦宣言に関する韓米の温度差が感じられることについてコメントを求める質問に、「韓米両国はこれまで終戦宣言の推進に対する重要性に関する共感の下、終戦宣言の文案について既に事実上合意に至った状態」という点を強調し、「ただし、具体的な終戦宣言推進案については、引き続き協議中にある」と述べた。
◆韓国「相当の調整」「事実上の合意」、米国は沈黙
米国務省は先月11日、鄭長官が国会外交統一委員会全体会議で「韓米間で(終戦宣言関連の)相当の調整が終わった」と述べた時も同様の反応を見せた。プライス報道官は当時も「北朝鮮との対話・外交を通じて韓半島の恒久的な平和を達成することに専念している」という今回と全く同じ立場を紹介した。
鄭長官は「相当な調整」「事実上の合意」など徐々に表現の水位を高めて韓米の終戦宣言共助を強調しているが、米国は異見調整および文案合意を認めずに機械的な回答ばかり繰り返していることになる。
特に、先月の終戦宣言関連のプライス報道官の回答には▼北朝鮮と前提条件なしで会う準備ができており、▼北朝鮮との関与のために韓・日などの同盟国と緊密に協議している、などの内容が盛り込まれたが、今回はこれも省略された。また、相手国の高官の発言を評価したり直接的な立場表明をするのが困難な場合に用いる「私的な外交的対話の内容を公開しない」という慣用的な表現さえなかった。終戦宣言をめぐる韓米間協議の状況を一方的に公開し、楽観論を繰り広げる韓国に対して米国務省の疲労感が蓄積したのではないかという見方が出ている理由だ。
◆民主党・共和党、相変わらず終戦宣言に「異見」
現在、米議会内でも終戦宣言に対する確実な支持は確保されていない状況だ。したがって、バイデン政権の立場では、来年11月の中間選挙を前に終戦宣言を急激に進展したり、関連の立場を公にすることは政治的負担につながりかねない。
高麗(コリョ)大学統一外交学部の南成旭(ナム・ソンウク)教授は「終戦宣言議論の過程で韓国はこれ以上米国の異見が出てこないため『合意』と評価しているが、米国は韓国の立場をただ聴取しているだけでこのような状況を合意や同意とみなさない、同床異夢に陥っている可能性がある」とし、「バイデン政権は特に米議会内でも終戦宣言に対する意見が交錯する状況で、韓米の協議経過や文案合意の有無などに言及すること自体が政治的リスクになりかねないとみている」と述べた。
◆終戦宣言協議経過、韓米温度差
一部では、鄭長官が「北京五輪(オリンピック)を南北関係改善のきっかけにするのは事実上難しくなった」と是認しつつも、韓米間で終戦宣言の文案に合意したという内容を公開したのは、国内政治的な「成果広報用メッセージ」の意味合いの方が大きく見えるという分析も出ている。鄭長官の発言は国内メディアの記者懇談会で出たものだが、質問は「北朝鮮に終戦宣言に関して具体的提案をする計画があるか」であって、韓米間の協議経過を問うものでもなかったためだ。
特に鄭長官は今月11~12日、G7外交・開発長官会議でトニー・ブリンケン国務長官に会ったとき、ブリンケン長官が終戦宣言の文案への合意事実を再確認したという点まで言及した。米国が終戦宣言に関して原論的立場ばかり繰り返している中、鄭長官が相手国の長官の立場を一方的にメディアに明かしたことになる。
Source:脱亜論
韓国「米国と南北終戦宣言に合意」、米国「…」、識者「米国は韓国の立場をただ聴取しているだけ」