2025
10.30

スーダン病院で460人超の患者や付添人が殺害される。医療団体は『人間の屠殺場』と激しく非難

国際ニュースまとめ

準軍事組織RSFに制圧されたエル=ファーシルから逃れてきた避難民ら(2025年10月28日)準軍事組織RSFに制圧されたエル=ファーシルから逃れてきた避難民ら(2025年10月28日)

世界保健機関(WHO)は10月29日、スーダン西部北ダルフール州の州都エル=ファーシルにあるサウジ病院で、患者や付き添い人ら460人以上が殺害されたと発表した。

国連は、患者らは準軍事組織の即応支援部隊(RSF)の戦闘員によって殺害されたとしている。

スーダンで2年半以上続く戦闘

スーダンでは2023年4月に、スーダン国軍(SAF)と準軍事組織の即応支援部隊(RSF)の間で主導権を巡る争いが勃発し、2年半以上に渡り戦闘が続いている。

地元メディアによると、RSFは10月26日にエル=ファーシルを掌握。国連は約2万6000人がエル=ファシールからの避難を余儀なくされているほか、多くの人がRSFの戦闘員に殺害されていると報告している。

AP通信は目撃者の証言として「RSFの戦闘員がエル=ファーシルへの攻撃の一環として、家々を回って人々を殴打し、女性や子どもを含む住民を銃撃した。多くの人々が路上で銃弾を受けて死亡し、逃げようとして殺された人もいる」と伝えている。

WHOによると、RSFの戦闘員は10月28日にサウジ病院で460人以上を殺害し、医師4人、看護師1人、薬剤師1人の計6人の医療従事者を拉致した。

戦争の状況を追跡している医療団体「スーダン医師ネットワーク」はRSFの戦闘員たちが「サウジ病院内にいた全員を冷血に殺害した」とXに投稿している。

「患者、付き添いの人々、病棟にいた他のすべての人々が殺害された。エル=ファシールの病院は、RSFの手によって『人間の屠殺場』と化している。彼らは戦闘員と患者、子どもと医師の区別すらしない」と団体は述べている。

イェール大学医学部の「人道研究ラボ」は10月28日、エアバス社の衛星画像などを分析した結果、RSF(即応支援部隊)の戦闘員が、サウジ病院を含めエル=ファーシルの医療施設で処刑や集団殺害を行ったとする報告書を発表した。

AP通信によると、RSFのムハンマド・ハムダン・ダガロ司令官が29日、自らの部隊が「虐待」をしたと通信アプリ・テレグラムに投稿し、殺害を認めた。ダガロ氏は「調査を開始した」と述べたものの、詳細には触れなかったという。

2023年に戦闘が勃発して以来、この紛争で15万人以上が死亡し、1400万人以上が住居を追われて避難しているとする推計もある。

WHOのテドロス事務局長は「すべての医療機関への攻撃を、ただちにかつ無条件に停止しなければならない」と述べ、国際人道法に基づいて全ての医療従事者と民間人の保護を強く求めている。 

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Source: HuffPost