09.06
船越英一郎らが動画出演。「偽警察官」による詐欺に注意。性的被害を伴うケースも
俳優の船越英一郎さんらが出演した警察庁作成の動画(警察庁提供)警察庁は9月6日、公式X(@NPA_KOHO)で「偽警察詐欺」への注意を呼びかける動画を公開した。
多数のサスペンスドラマで刑事役を務めてきた船越英一郎さんらが登場し、「海外から特殊詐欺の電話はかかってくる!」と訴えている。
「ドラマや映画より巧妙」
警察庁の投稿によると、動画には俳優の船越英一郎さんのほか、的場浩司さん、山田純大さんが登場する。
3人は、警察庁が特殊詐欺の被害防止に向けて組織した「SOS(ストップ・オレオレ詐欺)47」の一員で、特別防犯支援官として活動。
船越さんは、同支援官を委嘱された際、「特殊詐欺はドラマや映画よりもはるかに巧妙になってきている」と話し、「詐欺は大切なお金だけでなく、それまで貯めてきた時間や築いてきた信頼まで壊す悪辣な犯罪」と決意を述べていた。
今回の動画では、船越さんら制服を着た3人が「ストップ!海外からの詐欺電話」と力強く訴えかけており、視聴した人たちからは「とても大切なこと!」「おっしゃる通り!」といった声が寄せられている。
偽警察詐欺とは?
では、偽警察詐欺とはどのようなものか。
警察庁によると、自宅の固定電話やスマホに「あなたの口座が犯罪に使われている」「あなたの携帯電話が不正に契約された」と、“偽警察官”から電話がくるケースが相次いで確認されている。
偽警察官は、「資産を保護する」「口座を調査する」「あなたは逮捕される」などと言ったり、偽の警察手帳や逮捕状を見せたりし、信じた人たちから現金をだまし取っている。
2025年上半期の偽警察詐欺の認知件数は4737件で、被害額は389億3000万円。総認知件数に占める割合は35.9%だった。
偽警察官の他に、電話会社や総務省の関係者を名乗るケースもある。「携帯電話の未納料金がある」などと言った後、警察官役に交代したり、SNS・ビデオ通話での連絡に移行したりする手口もあるという。
警察庁は、「本物の警察官は電話で捜査対象となっていることを伝えたり、メッセージアプリで連絡を取ったりすることはない」としており、「警察手帳や逮捕状の画像を送ることもない」と注意喚起。
被害に遭った際などは、警察署や警察相談専用電話(#9110)に相談するよう呼びかけている。
性的な被害を伴う事例も
実際にあった事例は次のとおりだ。
▽実在の電話番号が使われた事例
被害者の携帯電話に愛知県警察本部の代表電話番号から電話があり、警察官を名乗る人物から「あなた名義の口座が不正に開設されており、あなたも資金洗浄事件の容疑者になっている」と言われた。
その後、SNSのビデオ通話で、警察官を名乗る男から顔写真付きの警察手帳を示され、「口座の資金を全て確認する」「一度お金を全て振り込んでもらい、資金調査を行う」と言われたため、指示された口座に現金250万円を振り込んだ。
その後、最初に着信表示されていた愛知県警本部の代表電話に電話したところ、詐欺であることが判明した。
▽ビデオ通話を利用した事例
男性の携帯電話に、国際電話番号から電話があり、「あなたの電話を2時間後に停止する。お問い合わせは『1』を…」という自動音声ガイダンスが流れた。
男性が「1」を押すと、男が電話に出て、「鹿児島市内の携帯電話ショップで、あなたの名義で携帯電話が契約され、犯罪に使用された。このままだとすべての回線が停止される。警察に被害届を出して」と言われた。
さらに別の男から「鹿児島県警で対応する。SNSで被害届を受理する」と言われ、直後にSNSでメッセージが届き、登録したところ、鹿児島県警を名乗る偽警察官からビデオ通話があった。
男性は詐欺を疑い、被害に遭わなかった。
▽性的な被害を伴う事例
被害者の携帯電話に、国際電話番号で警察官を名乗る人物から電話があり、「口座が犯罪に利用されている」「身の潔白を証明するために指定された口座に現金を送金する必要がある」と言われた。
指定された口座に現金を振り込むと、その後に偽警察官からSNSのビデオ通話で、「タトゥーが入っているか確認する」と言われ、上半身裸の状態にさせられる性的な被害に遭った。
このほか、別の被害者が「逮捕を免れるため」という理由で、トイレや入浴中の映像の送信を継続させられる性的な被害に遭っている。
実際の偽警察官の写真を公開
偽警察官詐欺を巡っては、兵庫県警生活安全部が6月19日、公式Xアカウント(@HPP_seiankikaku)で、「実際の偽警察官」の写真を公開した。
同県警はXに「警察はSNSでは連絡しません。『テレビ電話で取調べをする』は、全て詐欺です」と投稿。
警察官の制服のようなものを着たり、警察手帳のようなものを見せたりするニセ警察官の実際の写真を公開した。
この投稿には、「出てくるニセ警察官達の雑な仕上がりよ…」といったコメントのほか、西宮市消費生活センターも「警察がLINEのビデオ通話などで連絡をとることはあり得ません」と引用リポストしていた。
Source: HuffPost




