2025
07.05

知ってる?世界最大の無印良品は、日本で1つだけのユニークでエコな店舗。奈良で実際に行ってみたら驚きの連続だった

国際ニュースまとめ

世界最大の無印良品が、どこにあるか知っていますか……?

なんと、奈良県に3月1日にオープンした「無印良品 イオンモール橿原」の売り場面積は約8200平方メートル。そしてここでは、日本で唯一のユニークでエコな取り組みが行われています。

無印良品の循環推進の拠点となる同店では、「ReMUJI」として、リユース品の回収・販売や、店舗内でリペアを行う古家具・わけあり品の販売などが行われています。

いったいどんな取り組みを行なっているのか。実際に店舗を訪れてみました。

【あわせて読みたい:インタビュー】無印良品が「わけあり品」やリユース品を売る理由。世界最大店舗の“ReMUJI”で目指す、新しい「循環の形」

「ようこそ、循環基地へ」。捨てられるはずだったものを、次の持ち主に繋ぐ役割

無印良品 イオンモール橿原の「ReMUJI」無印良品 イオンモール橿原の「ReMUJI」

通常のモール一つ分ほどの広大な敷地に建つ、「無印良品 イオンモール橿原」。

衣・食・住すべてのジャンルの商品が揃うよう、「カタログ」のようなイメージでつくられた店舗だそうです。

店長の下田裕さんに店内を案内してもらい、「ReMUJI」での新しい循環の形への挑戦について聞きました。 

「無印良品 イオンモール橿原」の店長、下田裕さん「無印良品 イオンモール橿原」の店長、下田裕さん

ReMUJIとは、無印良品が2015年から続けている、着られなくなった衣類を回収し、染めなおしたり、新たに手を加えたりして販売する取り組み。

そして今年の3月からは、無印良品の資源回収・リユース・リサイクル活動の総称とされています。

橿原店のReMUJIでは、衣類に加え、無印良品初となる生活雑貨や家具などに範囲を広げ、リユース品回収と販売を行っています。

店舗の一角を占めるReMUJIエリアに入ってすぐ目に入るのは、「ようこそ 循環基地へ」の言葉。その隣には、何種類もの資源の回収ボックスが並んでいます。

衣類もトップスやボトムス、アウターなど別々に回収されていて、スキンケアPETボトルやプラスチック収納、羽毛掛け布団、ソファなどの回収ラックもあります。

資源を回収し、リユース・リサイクルするそうです。

衣類や生活雑貨の回収コーナー衣類や生活雑貨の回収コーナー

リユース品のコーナーでは、店舗で回収した、まだまだ使える無印良品の衣類や生活雑貨、服飾雑貨を検品・クリーニングして販売しています。

引越しやサイズアウト、買い替えなどで、持ち主が使わなくなったアイテムを他の人に繋ぐための拠点となります。

コミュニティ全体で「ものを長く、大切に使い続ける」ための取り組みです。

この日も、プラスチック製の収納や調理器具などの生活雑貨、衣類、ソファなどの家具が並んでいました。

リユース品の販売コーナーリユース品の販売コーナー

店長の下田さんによると、リユース品販売には、想像以上の反響があり、「オープン前に回収した3000アイテムは1週間を待たずして売れた」そうです。

「役目を終え、捨てられるはずだったものを次のお客様に繋いでいくという役割は果たせているのでは」と話します。

店舗限定カラーの「染めなおした服」も。衣類の循環も大きく展開

染めなおした服染めなおした服

元々のReMUJIの取り組みとしてスタートし、現在は販売店舗が各地の34店舗まで広がっている衣類のリユースも橿原店では大きく展開しています。

綺麗に洗えばまだ着られる服は「洗いなおした服」、少し汚れや着色がついている服は「染めなおした服」に。穴が空いてしまっている服などは、その部分をカットして、同じように他の箇所に穴が空いている違う服をくっつけて「つながる服」に生まれ変わります。

橿原店では、キハダ、柿、菊の残さを染料の一部に活用した、店舗限定カラーの「染めなおした服」も。廃棄されるはずだった植物が生み出す、やさしい色味が素敵です。

染めなおした服。シャツは柿や菊の残さを染料の一部に活用した店舗限定カラー。染めなおした服。シャツは柿や菊の残さを染料の一部に活用した店舗限定カラー。

店長の下田さんによると、人気は「つながる服」。

回収された様々な衣類を、つなぎ合わせて生まれ変わらせた唯一無二のデザインが好評を呼んでいるそうです。

つながる服つながる服
つながる服つながる服

店内にあるリペア工房で古家具も修繕

捨てられるはずだったものに、手を加えて次の持ち主に循環させる取り組みは、衣類のほかに古家具でも行われています。

「国内外で一度役目を終えた古家具を仕入れてきて、立て付けが悪くなってしまったりとか、汚れやひび、反りがあったりするものを、このリペア工房でメンテナンスし、次のお客様が安心して使えるように修繕しています」(下田さん)

古家具のコーナー古家具のコーナー

取材でリペア工房を訪れると、国内外から仕入れた、たんすや椅子など様々な家具が並んでいます。

作業台では、リペアスタッフの山下奈緒さんが古い椅子の修繕を行っていました。 

古家具の椅子を修繕する、リペアスタッフの山下さん古家具の椅子を修繕する、リペアスタッフの山下さん

話を聞くと、山下さんは美術大学出身で、学生時代から「資源の循環」に関心を持っていたそう。

橿原店のReMUJIで、循環の取り組みの一つとして古家具の修繕・販売を行うと聞き、ぜひ関わりたいと思ったそうです。

「資源が循環することが『かっこいい』社会であったらいいなと考えていたので、循環に仕事で関わることができて嬉しいです。社会に良いインパクトを与えられればと思います」(山下さん)

古家具の椅子を修繕する、リペアスタッフの山下さん古家具の椅子を修繕する、リペアスタッフの山下さん

リペア工房はガラス張りのため、運がよければ来店時にリペアの様子を外から見ることができるかもしれません。

「古紙」として捨てられるはずだった「古本」

古家具と同様、捨てられるはずだった「古本」も同店では販売されています。

VALUE BOOKSと連携したこのコーナーでは、同店オープン時にはVALUE BOOKSが「古紙になるはずだった本」2万冊を選書。壁一面に広がる大きな本棚には、文学、絵本、アート、写真集、雑誌など様々なジャンルの書籍が並びます。

「古紙になるはずだった本」のコーナー「古紙になるはずだった本」のコーナー

古紙になるはずだった本は、古紙再生にまわるはずだった本をVALUE BOOKS協力のもと、100円または300円という手ごろな価格で販売しています。

通常は古紙再生にまわるはずだった文庫本を活用してVALUE BOOKSが作った「本だったノート」や「本だったノート」に無印良品の廃棄段ボールを混ぜって作った「本とダンボールだったノート」なども売られています。

「わけあり、問題なし」。小さな汚れやキズがある商品をお手頃価格で

「わけあり品」コーナー「わけあり品」コーナー

橿原店のReMUJIの中でも人気なのが「わけあり品」のコーナー。

このコーナーでは、輸送途中や倉庫で外装に汚れやキズがついてしまった商品を、割引価格で販売しています。

商品棚のポップには「外装には小さな『わけ』がありますが、中身は問題なくお使いいただけます」と書かれていました。

美濃焼のわけあり品美濃焼のわけあり品

例えばこちらの美濃焼の器やカップは、人の手により作られているため、時には小さな汚れやキズができてしまいます。

通常であればその小さなキズが理由で、店舗には並べられずに廃棄されてしまうそうですが、ここでは「手仕事のしるしが刻まれた、わけあり品」として販売されます。

キズや汚れってどんなもの…?と思い見せてもらうと、見せてもらった器には、ほんの小さな黒い点がありました。

わけあり品の美濃焼の器。内側には小さな黒い点がわけあり品の美濃焼の器。内側には小さな黒い点が

個人的には、器に食事を盛り付けたら見えなくなるほどの小さな点なので、「これが理由で廃棄されてしまうのはもったいない!」と感じました。

わけあり品として売られ、誰かの食卓で活躍するのであれば、とても意義がある取り組みですよね。

このわけあり品のコーナーは、食器や水筒、靴、生活雑貨まで様々なものが売られています。

わけあり品コーナーに並ぶスニーカーわけあり品コーナーに並ぶスニーカー

「地域の資源循環の拠点に」

店長の下田さんによると、同店には奈良だけでなく、大阪や京都、和歌山からもお客さんが訪れるそうです。

下田さんは「製造小売業として物をどんどん作り出す中で、私たちが提供した商品の『その後』についてはきちんと考えていく使命がある」とします。

持続的なリユース品販売と循環の確立のためにも、今後の課題は、回収とそれに関する情報の発信。

誰かの暮らしを支えたアイテムが、きちんと次の人の手に渡るように。3月の店舗オープンと共に始まった取り組みは、これからが「挑戦」だといいます。

「奈良は様々な歴史があって、古くからある伝統的なものは残りつつ、新しいものと両方が合わさりあうような土地。地域の資源の循環を、ReMUJIが拠点となって実現していきたいです」

「無印良品 イオンモール橿原」「無印良品 イオンモール橿原」

(取材・文=冨田すみれ子)

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Source: HuffPost