2024
12.01

<北朝鮮超望遠レンズ撮影>朔州(2)鉄条網で閉じ込められた民…こちらを指さし笑った中学生とじっと凝視する兵士たち(写真10枚)

国際ニュースまとめ

「潜伏哨所」と呼ばれる半地下の警戒詰め所で勤務中の北朝鮮兵士。有線電話で本部と連絡を取っているようだ。電気がない時は、予備のバッテリーで連絡できるようになっているという。

◆鴨緑江での洗濯も水浴びも今は昔

朝中国境を流れる鴨緑江は、かつて北朝鮮住民たちにとって大切な生活用水だった。飲み水として使うほか、川辺で洗濯や水浴びをしたり、網で魚を捕ったりする姿を日常的に見ることができた。

しかし、それも今は昔だ。コロナ・パンデミックを機に、金正恩政権は中国への越境・脱北を遮断するため、幾重にも鉄条網を張り巡らせるなど国境警備を厳重にし、住民たちは川辺に近づくことすらできなくなってしまった。

10月中旬、景勝地としても名高い水豊ダムの下流一帯を巡った。対岸は平安北道(ピョンアンブクト)朔州(サクジュ)郡だ。有刺鉄線の内側に閉じ込められた庶民と軍人の姿を、中国側から超望遠レンズで撮影した。(洪麻里)

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2019年9月に撮影した朔州。パンデミック以前は、庶民が川辺で洗濯をし、岩場に洗濯物を広げる姿が日常的にあった。女性にとって洗濯は重労働に違いないが、天気のいい日に子どもを連れて洗濯する姿は牧歌的でもあった。
これも2019年9月の撮影。水がきれいな鴨緑江では川魚も豊富だ。川辺で網漁をする姿は今やほとんど見ることができない。
鴨緑江で投網漁をする漁夫。当局に特別に許可を得て操業している。
哨所で勤務する3人の国境警備隊の兵士。一人は自転車の陰からこちらの様子をうかっていた。哨所の窓は割れていて、テープで修繕されている。手前には監視カメラが見える。
ズームしてみる。外に停めた自転車を手入れしていたようだった。我われが乗った船が近づくと、自転車の陰に隠れるようにしてこちらをうかがって笑っていた。

小高い位置にある哨所で勤務する兵士。冬服に軍用弾帯の「チェストリグ」を着用している。洗濯物が干されている。
奥の建物の隙間からトウモロコシが見える。農場の保管庫だろう。屋根で作業しているのは農場員だと思われる。7月末の水害で流された農場の施設を建て直しているのか。
大根畑脇の掘っ立て小屋は、作物の盗難防止のための監視所だ。夏から秋の収穫期には毎晩交代で寝泊まりして畑の警備にあたるという。座っているのは女性のようだ。
5人組の少年が我われを見て、指をさしながら囃し立てるように笑っていた。容器を持って水を汲みに山を下りてきたのか。小学生か中学生だろう。
北朝鮮地図 製作アジアプレス

※写真はすべて平安北道朔州群。202410月、中国側から撮影アジアプレス(2019年撮影の2枚を除く) 

 

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Source: アジアプレス・ネットワーク