10.16
「命を奪う企業はいらない」。イスラエル軍需大手など出展の「国際航空宇宙展」前で抗議集会
イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区やヨルダン川西岸などへの攻撃が続く中、「国際航空宇宙展」へのイスラエル企業の出展に抗議する集会が10月16日、会場の東京ビッグサイト前で行われた。
同展示会の出展者リストには、イスラエルの軍需大手のほか、イスラエルに武器輸出を続ける複数の欧米企業も名を連ねている。また展示会は、内閣府や外務省、文科省、防衛省など多くの政府機関も後援している。
集会の参加者たちは、「死の商人は恥を知れ」「虐殺やめろ」「命を奪う企業はいらない」などと声を上げ、地面に横たわる「ダイ・イン」行動で抗議の意思を示した。
「国際人道法の重大な違反に加担のリスク」名指しされた企業も出展
国際航空宇宙展は、航空機やロケット、人工衛星などの開発・製造、貿易に関わる約130の企業が加入する「日本航空宇宙工業会」が主催。国内外の企業や政府機関などが集まる日本最大級の航空・宇宙の総合展示会で、1966年に初めて開催された。
2024年の出展者名簿には、イスラエル企業のエルビット・システムズのほか、ボーイング、ゼネラル・ダイナミックス、ロッキード・マーチン、BAEシステムズ、RTXといった欧米企業も含まれている。
これらの欧米企業はいずれも、国連人権理事会の特別報告者などの独立した専門家たちが6月に連名で発表した声明で、イスラエルに武器を供給している軍需企業として名指しされた。
声明は「これらの企業は、武器や部品、弾薬をイスラエル軍に送ることで、国際人権法および国際人道法の重大な違反に加担するリスクがある」と指摘し、武器の輸出を直ちに停止するよう求めている。
実際に、イスラエルによるガザ攻撃で、米国製の武器使用が確認されている。
CNNなどによると、米ボーイング社の武器は、多くの避難者が身を寄せるガザの学校やモスクへの爆撃で使用されたことが明らかになっている。
米紙ニューヨーク・タイムズは6月、ボーイング製の小型爆弾「GBU-39」が、多数の民間人が殺害されたガザでの空爆で使われたと報道。「イスラエル軍が好んで使用する武器となりつつある」と指摘している。
フランス政府はイスラエル企業を禁止に
国際航空宇宙展には、内閣府や外務省、防衛省、経産省など複数の政府機関が後援している。
一方、フランス政府は6月の兵器見本市「ユーロサトリ2024」で、イスラエル企業の参加を禁止した。フランス国防相はロイター通信に対し、「大統領がイスラエルに(ガザ地区の)ラファでの作戦停止を求めている今、展示会にイスラエル企業を招待する条件はもはや整っていない」とコメントしている。
「武器取引反対ネットワーク」(NAJAT)代表の杉原浩司さんは抗議集会で、「ガザで殺された遺体を前に、怪我をした人がその遺体(の身元)を確認している。過去のことではなく、今もこの瞬間に、国際航空宇宙展にブースを出している企業が輸出した武器によって起きていること」だと批判した。
防衛省がイスラエル製の攻撃型ドローンの購入を検討している問題にも触れ、「私たち一人ひとりが当事者であり、加害者の側になっている。だからこそ私たちは、これほど恥ずかしい血まみれのイベントにはNOだという声を、形にしないといけません」と訴えた。
国際航空宇宙展は10月19日まで、東京ビッグサイトで開催される。
【取材・執筆=國﨑万智(@machiruda0702)】
Source: HuffPost