04.16
シリアス・ベーコン(Serious Bacon)独占インタビュー~まるで桜の花のよう!ふんわり癒し系T-POPデュオ
春爛漫。例年より少し遅れて桜が開花した東京、目黒の在京タイ王国大使館に、なんとも可愛らしい雰囲気のT-POPデュオ、Serious Bacon(シリアス・ベーコン)が降臨!
この日は、毎年豪華な布陣でタイ・ミュージック好きや、タイ・カルチャー好きの日本人、そして、日本在住のタイ人の皆さんを驚かせてくれるビックイベント「タイフェスティバル東京2024」の出演者公式発表の日。(2024年4月4日)
Serious Baconはタイフェスティバルの出演者を代表して3曲を披露してくれました。
ウキウキする曲調や、ちょっと切ないメロディに乗せ、恋する高揚感や、相手に対する気持ちをキュートに、そして時には大人っぽく表現。それでいてふんわりと軽やかに歌い上げるCakethyとMuangは、ただかわいらしいだけではなく、歌詞も曲もアレンジも、全て自分たちで手掛けるという実力派!
タイランドハイパーリンクスは、早速大役を終えた2人を直撃。
Serious Baconの2人はどんな人?
Serious Bacon
https://twitter.com/seriousbaconnn
https://www.instagram.com/seriousbaconband/
https://www.facebook.com/Seriousbaconband/
タイフェスティバル出演はアーティストの登竜門!
ーータイフェスティバル出演決定おめでとうございます。決まった時はどう思いました?
Cakethy(以下Cake):もう感動しちゃいましたよ!ドキドキしています。今回初めてタイ以外の国でパフォーマンスするから、日本の方が私たちの曲を好きになってくれるのかなあって、ちょっと心配しています。
Muang:同じレーベルのINKさんが、タイフェスティバルに出演して、サマーソニックに出演できるようになったから、もしかして登竜門(笑)?
自分たちはタイフェスティバルに出演することで、どこまで行けるのか非常に興味がありますね!
ーー2人ともサマーソニックに出るような大物になったら、インタビューさせてくれないんでしょう?
Cake:いやそんなことないです!インタビューしてください!
Muang:…(爆笑)。
乙女心をハッピーに、時には切なく。恋をしたら共感できる世界観
ーー今日はタイフェスティバル出演のアーティストを代表してPRイベントに出演してくれたわけですが、良かったです。Serious Baconの世界を堪能しましたー。柔らかい2人の声と、ポップなメロディに癒されましたよ。
Cake&Muang:わあ、ありがとうございます。
――Cakeさんと、Muangさんの動きから、ちょっと聞き取れる言葉から恋の歌なのかな?と思いながら聴いていたのですが、今日披露してくれた曲はどんな歌詞だったんでしょうか?
Cake:「Serious Bacon」の曲はハッピーな曲が多いです。今日披露した曲の1曲目は、「友達のことが好きだけど、今はそれだけ。それ以上にはなれない」というちょっと切ないけど、ウキウキする歌詞。2曲目は、好きな人に自分のことをPRする歌詞で「私だったらいい恋人になれますよぉ!」って好きな人に向けて心の中で話しかけています(笑)。3曲目は「最近恋人との関係があいまいになっているから、もっと度の強い眼鏡をかけたら、その関係がはっきり見えるかな?」っていう歌詞です。
――それはCakeさんの実体験?
Muang:…(笑)
Cake:実は友達のエピソードなんです。友達が話してくれる恋愛話は全部メモしますよ。あとはSNSのステイタスはいつも見ていて「なんか切ない恋をしている人がいるなあ!」って思ったら、その人を主人公にしてしまいますね。
かわいらしい外見とは裏腹に、すべて自作の実力派!
ーー作詞作曲、そしてアレンジまで、楽曲は全て2人で作っているそうですね。どのように担当分けをしているんだろう?詳しく教えてください。
Cake:パターンは2つ。私が作詞作曲してアレンジをMuangが担当するパターン。もう一つは作詞の部分になりますが、自分の歌うパートだけ作って、Muangがそれに自分の歌うパートの歌詞をつけるパターンですね。
ーーおお!リレーみたいですね!Muangさんが作ってきた歌詞が、Cakeさんが思っていたものと全く違って「何よこれ!?」みたいになることはありませんか?
Cake&Muang:顔を見合わせて(爆笑)
Muang:あまりそういうのはないかな(笑)。というのも、最初にCakeのイメージを聞いて、話し合ってから作詞に取り掛かります。
タイの東大・チュラロンコン大学で出会う
ーー2人ともチュラロンコン大学(タイの東大と称される大学)出身なんですよね?勉強もできて、作詞作曲もできて、パフォーマンスする、という器用さが羨ましいです。
Muang:いやいや、とんでもない(笑)!
ーー音楽活動は何歳から始めたんですか?
Cake:大学に入る前に学校のバンドでボーカリストをやっていていました。16歳の頃ですね。それとカバー曲を歌うYouTubeチャンネルもやってました。
Muang:僕は高校生の時に後輩たちとバンド活動していました。でもその時は歌わず、ベース1本。
ーーへえ、ソフトな良い声なのに最初からボーカルを取らなかったなんて、意外です。
Muang:…(笑)。ありがとうございます。
ーー確かギターを弾いている動画もありましたよね。
Muang:ギターを弾くようになったのはSerious Baconの活動をはじめてからで、それも本格的にではなくラフな感じで。他の楽器もそのタイミングだから、全ての経験が長いわけではないです。
ーー音楽の活動をしながらチュラロンコン大学の勉強を同時にするなんて、大変そう!
Cake:大丈夫(笑)!私たちの通っていたコミュニケーションアーツと言う学部は、教科書を読みながら、計算をしながら…っていう感じの授業ではなく、どちらかと言うと体験がメインなんです。
ーー学部名が既にそれを表現していますね。
Muang:実はCakeが大学を卒業した時は丁度コロナ禍で、僕は3年生から4年生にかけての年だったんです。大学の授業はオンラインになってしまったので、逆にSerious Baconの活動ができたという(笑)。
ーー大学で初対面だったんですか?
Cake:そうです。私が大学3年生の時に、彼が1年生。
きっかけは「あれ?この人とは作品の方向性が似ている!」
ーーCakeさんの方がセンパイなんですね。「この人と一緒にユニット組みたい!」と思ったのは、どんなタイミングだったんですか?
Muang:僕が大学生1年生の時、学部の学生でステージを作る授業がありました。その舞台はミュージカルで、Cakeが音楽を作るチームに所属していたんですよね。偶然、僕もそのチームに加入しました。
Cake:その時「ああ、この後輩は楽器が弾ける、そして私は歌える」という認識は持ちました。その後、レストランでバンド活動のショーが入ったんですけど、メンバーが足りなくて…。それでMuangに参加してもらったんです。
Muang:ショーのために何度かリハーサルをしていたんですけど「あれ?この人とは曲のスタイルや作品の方向性が似てるな」って思ったんですよ。
デビューはYouTubeを見たスタッフからのスカウトがきっかけ
Cake:私がYouTubeのチャンネルを持っていたので、そこにも参加してもらっていたら、再生数がぐーんと伸びてきたんですよね。そしたら、今のレーベルからオファーがあって。
ーーえええー?オーディションを受けたわけではなくて、レーベルの方がYouTubeを見てスカウトしてきたっていうこと?
Muang:はい。この人です…(インタビュー場所に同行していたスタッフさんを指して)
Cake:(笑)…。
ーーあっ、あなたが…(スタッフさん照れ笑い)!2人は先見の明の持ち主に見つけてもらったんですね!
Cake:そうなんです(笑)。レーベルからは「こんなスタイルで曲をリリースして、デビューしませんか?」と色々提案していただきました。
「なんだ!だったらもう私たちは一緒に組んで仕事にしようよ!」っていう感じですかね(笑)。
Muang:Cakeはそうかもしれないけれど、最初は僕は話が全然わからなくて(笑)。まだ音楽は趣味って言う感じだったし、まさか仕事にするとは思っていなかったんですよ。
若きシンガーソングライターの音楽ルーツとは?
ーーパフォーマンスを見ていて、可愛らしくて、ふんわりとした声と優しい雰囲気にとても癒されました。どの国のアーティストでも「この人に似てる」というアーティストが当てはまるものなんですが、見当たらない癒し度でした。
Cake:ありがとうございます!
ーーだから余計、お2人のルーツと言うか、影響を受けてきた音楽に興味を持ちましたね。
Cake:そうですねえ…。私の場合は、アーティスト個人に影響を受けたということはあまりなくて、T-popはもちろん、J-pop、K-pop…とにかく世界中のポップスが好き。曲や歌詞を考える時も聴いていますね。
Muang:僕はロックからフュージョンまで多くのジャンルを聴いてきました。そんな自分の好きなジャンルのアレンジを参考にしたり、組み合わせてみたり、アレンジ部分に取り入れたりすることでレイヤーが出るんです。
ーー沢山の音楽ジャンルに触れてきてからこそ、この若さでアレンジ力もあるんでしょうね。いつ頃から自分でアレンジをするようになったんですか?
Muang:作詞作曲、編曲は15歳…
ーーえっ?まだ子供じゃないですか?
Muang:あはは、趣味としてですよ。本格的に勉強し始めたのは、大学に入って、今の学部で学び始めてからですね。同じ学部にTilly Birds(タイのオルタナティブロックバンド。2024年のタイフェスティバルにも参加)のメンバーが2人もいたんですよ。
ーー凄い学部ですね(笑)。
T-POPの新星が考える今のタイミュージックとは?
ーー私が最初にタイに行ったころって、バード・トンチャイさんとか、ルークトゥンの大物の人とか、ハードロックのバンドの方とか、プアチウィットのアーティストの方とか「これがタイの音楽だ!」というわかりやすさがあったんです。むしろそれが安心感と言うか、タイの音楽が好きになった理由なんですけど、ある時期から多様化して来たように思います。インディーズのレーベルも増えたし、メジャーのメーカーも増えたし、ジャンルや曲ではなく、アーティストそれぞれの個性で聴くようになってきた気がします。
2人から見て今のタイの音楽シーンはどう見えますか?
Muang:これは僕の考えなので、正しいかどうかは解りませんが、今タイで流行っている曲は、ハイブリットだと思います。
2000年に爆発的にロックが流行って、エレクトロが流行って、オルタナティブロックが流行って、K-POPが流行って…色々なジャンルの曲を追及しはじめたんですよ。
それぞれのジャンルが好きなアーティストが、その音を追求しながら、他のジャンルにも影響を与えて、ミックスされているような印象かなあ。
だからタイミュージックって、ジャンルに関係なく1曲の中に様々な要素が入っていて、なかなか面白いんですよ。
ーーなるほど!確かにタイミュージックって独自のメロディやアレンジが組み込まれていますよね。納得です。
和牛をタイに持って帰りたい
――今回は丁度桜の開花に来日できて良かったですね。いつもは散っている時期なんですよ。
Cake:東京に着いてから桜をたくさん見ることができて、とてもラッキーです。子どもの頃に見たことがあるんですけど、まだつぼみでした。
Muang:僕は桜の花を初めて見ましたよ。ホントにラッキーです。
――日本には旅行で来たことがあるのかしら?
Muang:何回か遊びに来ています。大阪と東京です。
――日本の好きな所はどこですか?
Cake:それは飲食店も含みますか(笑)?
――(笑)含みます。えっ?もしかして(笑)?
Cake:私は日本の飲食店が全て好き!ほんっとに好き。
Muang:タイでも和食を食べているんですけど…こんなに美味しいとは(笑)。
Cake:そうなんですよ。どのお店に入っても美味しいんですよ!
――(笑)それは良かった。またすぐタイフェスティバルで日本に戻ってくるとは思うのですが、今回は絶対にこれを買って帰りたいとか、日本でこれだけはやっておきたいこととかありますか?
Cake:うふふ、もうショッピングはしましたよー。お菓子でしょ、人形でしょ、服でしょ、おもちゃでしょ…。
――買う物すら可愛らしいなあ(笑)。
Muang:僕の買いたいものは、持って帰れませんよ。
――え?なぜ?
Muang:日本の和牛です!
Cake:あははは(笑)!
――検疫で引っ掛かりますね。
Muang:だってタイと日本の和牛は味が違うんですよ(笑)。
一同:爆笑
ユニット名の候補が独特過ぎた
――そう言えば、この変わった「Serious Bacon」というユニット名には、他にもいくつか候補があったんですよね?
Cake:そうです。友達に騙されて、インパクトのある名前が良いと言われて付けたんです。
Muang:候補は先ほどのイベントでも話した「dying wagyu」と…
――和牛好きすぎません?
Muang:大好きです(笑)!それから、これ言っちゃっていいのかな(笑)。 「Bacon48」。
――パクりなんかーい(笑)。それに48個もあるベーコンって多すぎて恐すぎる(笑)!
日本の皆さんへ
ーーいよいよ、タイフェスティバルが近付いているのですが「Serious Bacon」のパフォーマンスを初めて見るであろう日本の皆さんに、メッセージをお願いします。
Cake:「Serious Bacon」の曲を聴いてほしいです。曲によって歌詞も、曲調も違うから色々な「Serious Bacon」を楽しんでいただけると思いますよ!よろしくお願いします!
Muang:2024年のタイフェスティバルには、タイの有名なアーティストがたくさん来るので、いろんなジャンルの曲が楽しめると思います。しかも、タイの音楽フェスより、アーティストが多いし豪華(笑)!
――豪華すぎますよね。
Muang:みんなそれぞれ違うスタイルで絶対に面白いと思います。その中には自分に合うジャンルや好きになっちゃう音楽ジャンルもあると思うので、見逃さないでくださいね!
取材を終えて――――
おっとりと、楽しそうに話すCakeを見守りながら、しっかりと補足するMuang。
まんべんなく様々なジャンルの音楽を聴き、自分の中に取り込んできたMuangならではのタイの音楽観も興味深いものがありました。
2人のやわらかい雰囲気に包まれていると、この日も咲いていた桜の花に包まれたような、ふんわりとした心地よさを感じます。そして、それは楽曲からも十分に伝わるはず。
タイフェスティバル東京2024でのパフォーマンスをお楽しみに。
取材・文:吉田彩緒莉(Saori Yoshida/Interview・text)
第24回タイフェスティバル東京
[日程]
2024年5月11日(土)・12日(日)
「会場」
代々木公園
[主催]
第24回タイフェスティバル東京実行委員会
[後援]
外務省
[ゴールドスポンサー]
株式会社JTB
[シルバースポンサー]
タイ国際航空/ワンナポップ/エアアジアX/株式会社日本旅行
[ウェブ]
公式サイト: https://thaifes.jp
公式X:@thaifes.jp
公式Instagram: @thaifes.jp
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