04.10
旧ジャニーズ「いまだに広報や風評管理に執着」とBBC記者。「広報同席の被害者インタビューを提案された」とも証言
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故ジャニー喜多川氏による性加害問題が日本で大きく報じられるきっかけとなった、BBCドキュメンタリーの続編「捕食者の影 ジャニーズ解体のその後」が3月30日に放送された。
それを受け、取材したジャーナリストのモビーン・アザーさんとディレクターのメグミ・インマンさんが4月10日、日本外国特派員協会でオンライン記者会見を開いた。
2023年の1作目ではBBCの取材クルーはジャニーズ事務所の幹部らと接触できなかったというが、今回の続編では、ジャニーズ事務所から名前を変更した「SMILE-UP.」の東山紀之社長へのインタビューを実施している。
アザーさんは会見で、SMILE-UP.への取材の舞台裏を明かした。
取材依頼に対するSMILE-UP.の対応について、「1作目のドキュメンタリー制作時はまったく協力的ではなく、レンガのように硬い壁があったが、日本メディアが報じるようになるなどして圧力が高まったことで大幅に態度が変わった」と話した。
しかし、ドキュメンタリー続編の取材依頼への返答は、「協力します」と1行だけ書かれたメールだったといい、「事の重大さを理解できていないばかりか、それが会社の組織体制と社内風土が原因だということもSMILE-UP.はわかっていないと思う」と語った。
アザーさんは取材のため2月に来日。その際は、東山社長や幹部などがインタビューに応じるかは決まっていなかったという。取材の前に複数回にわたりSMILE-UP.の本社で話し合いが行われたといい、「ミーティングはとても長く、奇妙に感じるところも複数あった」と続けた。
「大きな役員室にある大きなテーブルを囲み、外部広報や内部広報を交えてミーティングをしたのを覚えています。弁護士だったり、幹部のお友だちだったりが参加してきて、言いたいことを言うというものでした」
話し合いの中では、同社側から「被害者たちと会って欲しい」という提案があったが、「被害者とのミーティングは会社のビル内で、広報担当者同席で行うように」という条件が付いていたという。
これに対しアザーさんは、被害者が圧力を感じないよう、カメラを回さず、同社の関係者も同席しない環境が適していると考え、複数回にわたり交渉を続けた。
しかしSMILE-UP.側は、「これが彼ら(被害者たち)が望む方法だと言った」とアザーさんは話した。
その後、3人の被害者が参加したミーティングが行われた。その時の会話について、アザーさんはこう証言した。
「会話の中で被害者たちは、私たち(取材したBBCの記者)が事実を取り違えていると言ったのです」
「性的虐待の被害者たちは、性的虐待の被害者がいる一方で、被害を名乗り出た人たちの嘘の数々やこの状況を悪用しようとする人が多くいることについて焦点を当てて欲しい、と言ったのです」
同社が被害者への取材をBBCに提案した目的について、東山社長はインタビュー動画で「さまざまな意見を聞いてもらった方が視野が広がり取材もしやすいのかなと思っている」と答えている。
アザーさんはこうしたSMILE-UP.の対応について「今回の問題を小さく収めようとしていると強く感じました」と記者会見で述べた。
「SMILE-UP.は今でも広報と風評管理に執着している。起きたことの重大性と非常に多くの人の人生に影響を与えていると理解できていないことを物語っている」
アザーさんは会見で「この問題はまだ終わっていない」と述べ、「日本国内にいるジャーナリストに追及を続けてほしい」と繰り返し訴えた。
Source: HuffPost