01.10
積雪時の「車」は一酸化炭素中毒死に要注意。被災地でも降雪、無色・無臭で忍び寄る危険とは
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冬の災害時に警戒しなければならないのが、車内における一酸化炭素中毒。積雪で車の排気口が詰まり、排気ガスが屋外に排出されず車内に流入することで発生する。
能登半島地震の被災地でも1月上旬、降雪が確認されたが、避難所が満員などの理由で車で寝泊まりしている被災者もいる。過去には一酸化炭素中毒による死亡事故も発生しているため、注意が必要だ。
警察などの関係機関が呼びかける対策のポイントをまとめた。
窓を開けていても安全とは言えない
富山県警は「車が雪で埋まったら怖い!」と一酸化炭素中毒の危険性を発信している。
エンジンの排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO)は空気よりも軽く、無色・無臭・無刺激のため、危険の察知が非常に難しい。一方、COを吸い込むと血液中のヘモグロビンと結合し、血液の酸素運搬能力を阻害するため、身体が酸素欠乏状態なる。激しい頭痛や意識障害を起こすことがあり、最悪の場合は死に至る。
また、同県警は「日本自動車連盟(JAF)」の実験も紹介。
車のボンネットの上まで雪を被せた状態でエンジンをかけ、空調を外気導入にして車内のCO濃度を検証したところ、排気ガスが車体の下側に溜まり、エアコンの外気導入口から車内に吸い込まれていくことが確認された。 空調を内気循環にしても車体の隙間から排気ガスが車内に入る危険性があるという。
気象庁も「暴風雪リーフレット」で注意を呼びかけており、たとえ窓を開けていても絶対に安全とは言えず、風向や窓の開度によっては一酸化炭素中毒の危険性がある、としている。
死亡事故は過去に何度も。対策は?
死亡事故は過去に何度も起きている。
新潟県で2022年12月、駐車場に止まっていた車の中で高齢者が見つかり、死亡した。車の周囲は大雪で埋まっていた。福井県でも18年2月、記録的な大雪に見舞われ12人が命を落とした。そのうち3人は車が雪に埋もれたことによるCO中毒死だった。
また、13年3月には北海道で雪のため動けなくなった車が発見され、道警が中から女性と子ども3人の計4人を発見。搬送先の病院で死亡が確認された。車は雪で埋もれており、排気口(マフラー)と窓が塞がっていたという。
では、積雪のなか車内で過ごす時は、何に注意をしなければならないのだろうか。
富山県警は「マフラー周辺を定期的に除雪することが重要」としている。天候などによっては短時間で車が雪に深く埋まることもあるため、降雪時は防寒対策をした上でエンジンを切るように呼びかけている。
気象庁も「やむをえずエンジンをかける時は排気口を確実に大気へ開放する」としているほか、厚労省は単独で除雪作業を行ったり、車両内で待機をしたりするとCO中毒の危険性が高まることから、①除雪は複数で行う②近くの建物に避難するーーことを対策として挙げている。
Source: HuffPost