2024
01.06

知ってる?餅のカビを防止する上手な保存方法。カビた部分を取り除いたら食べてもいいの?

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餅

2024/01/04 12:40 ウェザーニュース

お正月にお雑煮やお汁粉などにして食べたお餅も三が日を過ぎると余りがちになり、そのまま放っておくとカビが生えてしまうこともあります。

ウェザーニュースでお餅のカビについてアンケート調査を実施したところ、8割以上の人がお餅にカビが生えた経験があると回答していました。

カビが生えた経験は?カビが生えた経験は?

お餅にカビが発生するのを防ぐにはどうしたらよいかを宮城大学食産業学群教授の金内誠先生に聞きました。

お餅にカビが発生しやすい理由

金内先生は、「お餅の主成分は”でんぷん”で、ほかにタンパク質、水、脂質などで出来ています。カビが大好きな養分と湿度を多く含んでいるので、カビが発生しやすくなるのです」と話します。

お餅に緑や黒、赤色などの斑点があらわれたら、まずカビだと思って間違いありません。カビの種類について金内先生が解説してくれました。

「お餅につきやすいのは緑色のカビで、コウジカビの一種です。ところが、このカビの一種は毒性を持つものもいます。多くは食品に付着し、汚染カビとなります。

そのほか、餅に生える白いカビや青~灰色のカビの多くは、アオカビでふわふわした白い点々のようになったものが見えたら怪しいので食べないようにしましょう。温度や湿度が低くても耐えられる特性を持っています

また、毛足の長い灰色のケカビなども検出されることがあります。黒いカビは、アスペルギルス属で、室内に存在する代表的なカビです。 湿度が多いところで繁殖しますが、低温でも酸素が少ない状態でも発育します。

ピンク~オレンジカビは、アカパンカビというカビの一種です。このカビが生育すると風味が悪くなります」(金内先生)

カビが生えたお餅は食べてはいけない

お餅にカビが生えてしまっても、カビの部分を取り除いて食べれば大丈夫、という声も耳にしますが、真偽のほどはいかがでしょうか?

金内先生は「表面の一部だけにカビ菌があらわれ、ほかの部分は大丈夫のように見えますが、顕微鏡で調べると内部まで根を張っている場合があります。また、菌糸がなくても、菌がつくった毒が、餅に含まれます。目に見えないカビ菌を食さないように、カビが生えたお餅はすぐに廃棄しましょう」と忠告します。

カビを防ぐためのお餅の保存方法

市販のお餅は、カビを防ぐ脱酸素剤や袋内部の空気を無くした真空包装により、長期間保存が可能になりました。切り餅がひときれずつ個包装になっているものは、未開封であれば常温保存で大丈夫です。封を開けてしまったら、なるべく早く食べ切りましょう。

餅つき機で自作したものや、餅つき大会や餅専門店で入手した搗(つ)きたてのお餅は、手や空気に触れることが多いため、餅に菌やウイルスが付きやすく、市販のものよりカビが発生しやすいので、注意してください。

金内先生は「家庭で手軽にお餅のカビを防ぐには、まず素手で触らないことが第一」と前置きして、いくつかのカビ予防法を教えてくれました。

(1)ラップして冷蔵庫や冷凍庫で保存

数日間の保存ならば、冷蔵庫で保存するのも問題ないそうです。

「その際、なるべく空気に触れさせないように、ひとつずつラップでしっかりと包み、保存袋に入れて冷蔵庫で保存するのがポイントです。

ただし、カビ菌にはいろんな種類があり、低温でも生育するものもありますから、冷蔵庫に保管したとしても万全とはいえません。より長く保存したいなら冷凍保存がおすすめです」(金内先生)

(2)アルコールで拭く

アルコールには除菌や消毒の効果があるため、アルコールを用いるとカビが生えにくくなります。アルコールの中でも香りのない焼酎で35度以上のものが適しています。

焼酎をキッチンペーパーなどに浸みこませ、ビニール手袋をして餅の表面を拭いてください。鏡餅のカビ予防にもこの方法が役立ちます」(金内先生)

(3)ワサビやからしを置く

「ワサビやからしには抗菌作用があるので、ある程度のカビは防ぐことができます。チューブ入りのワサビやからしをキッチンペーパーに絞り出し、お餅に直接触れないように密閉容器に入れます。ただし両方とも揮発してしまうので、時間が経ったら取り換えてください」(金内先生)

(4)水に漬けておく

カビの菌糸や胞子は酸素を取り込んで餅の表面に広がります。

「水餅にすれば空気に触れないので、カビの発生を防ぎ、ひび割れの防止効果も期待できます。密閉容器にお餅が完全につかるまでに水を入れ、冷蔵庫で保管します。1日1回必ず新鮮な水に取り換えましょう」(金内先生)

搗いたお餅も、個包装の開封後のお餅も、すぐに食べるのが鉄則ですが、余ってしまったら上記のような方法で保存し、美味しく味わいましょう。

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Source: HuffPost