03.03
若者の間で大腸がんが「不安になるほどのスピード」で急増。早期発見のためにできること
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世界中の若者の間で、大腸がん(結腸がんと直腸がん)が増加している。
アメリカがん協会の最新研究によると、55歳以下で大腸がんと診断される割合は、1995年の11%から2019年の20%とほぼ倍増した。
さらに、発見時にがんが進行していた割合は、2000年代半ばの52%から2019年には60%に増加した。
今回の研究以前から、医師や研究者らは、大腸がんが増加していると警告してきた。
ニューヨークにある「メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター」のロビン・メンデルソン博士は、「若者の間で、大腸がんが不安になるほどのスピードで増えている」「発症率は1990年代以降、毎年1〜2%ずつ増加しています」と話す。
中でも懸念すべきは、一番若い20代で最も増加していることだという。
なぜ若者の間で増加しているのか
医療機関「ジョンズ・ホプキンス・メディスン」のニロファー・サバ・アザド博士は「発症率増加の理由は、明確にはわかっていない」と話す。
「しかし、遺伝的に新しいことが起きているわけではないのは明らかで、それはつまり、環境要因による可能性が高いということです」
環境要因には、西洋型の食生活(特に加工肉)や肥満、アルコール、喫煙、糖尿病、その他の代謝の問題などが含まれる。
「こういった個別の要因は、主要な危険因子ではありません。しかしこういった要因が組み合わさって、大腸がんの増加につながっている可能性があります。ただし、明確なことはわかっていません」
アザド博士は「これは洋風の食事や、グラス一杯のワインがダメということではない」とも話す。
遺伝的要因なども含め、多くのがんのリスクはコントロールできるものではない。
ただ、栄養価の高い食事や運動を優先するライフスタイルに加え、大腸がんの兆候を知って検査を受け、早期発見することが重要になる。
大腸がんの検査を受けよう
若い人であっても、大腸がんの検査を受けることが大切だ。
アメリカでは、保険で検査がカバーされる年齢は以前は50歳だった。しかし若年層での増加により45歳に引き下げられた。
メンデルソン博士は「検診の目的は2つある」と説明する。
「一つはがんを早期に発見することです。大腸がんは早期の段階であれば、治癒できる可能性がかなり高くなります」
「そしてもう一つは、ポリープを見つけることです。ポリープは時間の経過とともにがんになる場合があり、見つけて取り除くことでがん予防になります。(検診は)早期発見とがん予防の両方の面から重要です」
大腸がんの兆候はさまざま
さらに、普段から兆候を知っておくことも早期発見の鍵になる。
メンデルソン博士は「最も一般的な症状は、直腸からの出血もしくは便中に血が混じっていることです。これはトイレの便器や、便自体、もしくはトイレットペーパーで確認できます」と話します。
ただ同博士は、肛門からの出血の多くががんではない、とも強調する。特に、肛門からの出血は痔の一般的な症状でもある。
しかし同時に、肛門からの出血のすべてが痔ではない、ということも知っておく必要がある。
「メイヨー・クリニック」によると、排便後にスッキリしない、腸内が空になった感じがしないといった症状も、大腸がんの兆候に含まれる。
また、貧血も気をつけるべき兆候の1つである時もある。
メンデルソン博士は「貧血だと診断された、つまり血球数が低い場合は(消化管内で)出血している可能性もあります」と話す。
アザド博士によると、便の変化も危険信号の1つだ。それには、黒い便や便秘などの問題が含まれる。
ただし、便秘や便の変化のすべてが大腸がんの兆候ではなく、一部はストレスや食事に関連している可能性もある。
また、わかりにくい症状の中には、腹痛や理由のわからない体重減少や食欲の変化などもある。
アザド博士は「これが難しいところです。肛門からの出血は、非常にわかりやすい兆候なのですが、その他の症状は気付きにくい時があります」と述べる。
「ですから、自分の体をよく知り、これまでと違うと気づくことが本当に大切です」
若い世代も、自分の体の症状に注意を
多くの若い人たちは大腸がんの検査を受ける機会がないかもしれないが、体の変化に注意を払い、兆候に気付いた時には医師の診断を受けることが重要だ。
また定期検診を受けている人でも、症状を感じた時には、病院で検査を受ける必要がある。
アメリカがん協会のアリフ・カマル博士は、ステージ4の大腸がんを患った人の平均生存率は数年であるものの、がんが転移していない場合の治癒率は100%に近いと指摘する。
増加し続ける大腸がんに対処するために、若い世代であっても検査を受け、兆候についての知識を持っておくことが重要だ。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。
Source: HuffPost