10.02
リマンはどんな都市?プーチン大統領の併合宣言からわずか1日で撤退【ウクライナ侵攻】
ウクライナ軍が同国東部の要衝「リマン」を約4カ月ぶりにロシア軍から奪還した。ロシア国防省は10月1日、「包囲される危険性があることから、軍隊はより有利な場所に撤退した」と発表した。ロシア国営ニュースサイト「RIAノボースチ」が報じた。
ウクライナ国防省も10月1日、公式Twitterに「リマン」と書かれた標識の前でウクライナ国旗を掲げる兵士の動画をアップ。さらに、リマン中心部でロシア国旗とみられる旗をビルの屋上から落とす様子も投稿した。
Ukrainian Air Assault Forces are entering Lyman, Donetsk region. #UAarmy has and will always have the decisive vote in today's and any future "referendums". pic.twitter.com/gGIIk9rNkG
— Defense of Ukraine (@DefenceU) October 1, 2022
The city center of Lyman today.
Servicemen of the 81st Airborne Brigade and National Guard tore down the enemy's flags. pic.twitter.com/5w2DpSfqId— Defense of Ukraine (@DefenceU) October 1, 2022
ロシアのプーチン大統領は9月30日、リマンがあるドネツク州などウクライナ東部4州をロシア領に編入すると宣言したばかりだったが、わずか1日で出鼻をくじかれた格好だ。
■リマンとは?鉄道路線が交わる交通の要衝。ウクライナによる奪還で「さらなる領土回復が可能」との見方も
リマンはドネツク州北部にある都市。ルハンスク州の主要都市「セベロドネツク」から約60キロの位置にあり、鉄道路線が交わる交通の要衝として知られている。2月から始まったロシア軍のウクライナ侵攻の前には、約2万人が住んでいたと推定されている。
リマンは旧ソ連時代に、共産主義のシンボルカラーを意識して「赤いリマン」を意味する「クラスニーリマン」と改名した。しかし、2016年に脱共産主義を掲げるウクライナ政府の政策によって、「リマン」の名前が復活していた。
ロシア軍のウクライナ侵攻から3カ月後の5月28日、ロシア国防省がリマンを「制圧した」と発表。しかし、9月から始まったウクライナ軍の反転攻勢の結果、リマンのロシア軍は逆に包囲された。10月1日には「リマンにいる5000人以上のロシア軍を包囲し、補給・退却路をほぼ遮断した」と、ルハンスク州のガイダイ知事が表明していた。
リマンの奪還により、ウクライナ軍はセベロドネツクなど他の重要都市の奪還も視野に入ってきた。ロシアは、ドネツク州とルハンスク州を合わせた「ドンバス」地域の支配を目論み、国民の部分動員を始めているが目標達成のハードルは上がっている。
米紙ニューヨークタイムズは今後の戦況について9月26日、以下のように報じていた。
「ウクライナは、ドンバス西端で(物資や軍備の)重要な供給元となる鉄道の結節点であるリマンを奪還するために大攻勢をかけている。ロシア軍が支配するこの都市を奪還することで、さらに東に進軍するための勢いを維持するためのゲートウェイとして利用する考えだ」
「この都市がウクライナの支配下であれば、ウクライナ軍は、今後数か月で失われた領土を取り戻すことが可能だ」
Eastern #Ukraine Update:
Ukrainian forces liberated #Lyman on October 1. /1https://t.co/3w0ZUI6XUvpic.twitter.com/21xnWuj669
— ISW (@TheStudyofWar) October 2, 2022
Source: HuffPost