12.07
【韓国】輸出規制は戦争の前兆現象である
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最近、中国が韓国に尿素水の輸出を中止して、社会が混乱に陥っている。中国の輸出規制が政治的目的によるものではなかったとしても、もその効果は混乱そのものだった。このような経験は初めてではない。2019年に日本は韓国の日帝強制徴用裁判の結果に反発して、韓国の半導体生産に欠かせない素材に対する輸出を禁止した。半導体が韓国経済と輸出に占める比重が絶対的という点で、韓国経済の心臓を刺したのである。経済的かつ心理的な打撃は大きくて市民は動揺したが、同時に敵がい心も増幅して日本製品不買運動などで表出して、両国間の対立は深まった。
特定の輸入品は一国家と社会運営に不可欠な要素(尿素と同音異義でややこしい)であり、特に特定国家の輸出に全面的に依存しているとすれば、輸出規制の効果は致命的である。輸出規制は相手国の特定産業、または相手国を麻痺させるという意図が含まれているものと見なされる。例えば1973年、中東諸国を中心び構成された石油生産機構(OPEC)は、第四次中東戦争の渦中にイスラエルを孤立させるため、親イスラエル諸国への石油輸出を禁止して原油価格を大幅に上げた。対象の諸国は経済に深刻なダメージを受け、最終的にイスラエルとの断交を選択した。すなわち石油輸出規制は、中東戦争の補助的手段として活用された。
輸出規制が戦争を引き起こしたケースもある。1941年に日本はフランス領だったインドシナに進駐し、アジア覇権の掌握に乗り出した。これに対して米国は、日本に対する石油輸出禁止措置を断行した。また、日本が異なる経路で石油を輸入できる迂回手段も全て遮断した。米国の全方位輸出規制は、日本に米国との戦争を選択させた。1914年、イギリスもドイツに対して全面的な輸出禁止措置をとり、これはドイツが『無制限潜水艦作戦』で第一次世界大戦を開始する要因として作用した。輸出規制が必ず戦争につながるという因果関係を法則化することはできないが、国家間の対立状況で必須品目の輸出規制は、軍事的攻撃に準ずる致命傷を相手に与える手段であることは明白だ。過去の事例からも、特定国家の輸出規制を乗り越える代案が存在しない場合、戦争の要因になり得る。
問題は、このような国家間の対立と危機的状況を誘発する輸出規制が現在、貿易戦争を展開している米国と中国の間でも起きているということだ。石油と同様、半導体は経済活動と全ての製品生産に欠かせない核心要素になって久しい。米国はこのような半導体技術と部品、そして素材の中国輸出を規制し始めた。米国政府は、中国最大のIT企業であるHUAWEI(ファウェイ)に対する半導体の輸出を禁止した。バイデン政権は米国企業だけでなく、外国企業の中国の半導体生産技術、装備、部品の輸出も規制を開始した。例えば米国はオランダの半導体装置メーカーであるASLMに圧力をかけ、半導体生産の精密工程に不可欠な極端紫外線リソグラフィ(EUV)の中国輸出を禁止させた。昨年12月1日、中国も輸出規制法を発行した。この法律は輸出規制の条件として、特定品目の輸出が中国の国家安保と利益に潜在的な危険要因となったり、他国の対中国輸出規制に対する報復の目的と規定しているのだが、事実上全ての品目に対する包括的な輸出規制を可能にした。
もはや米国と中国は輸出規制により、相手国の急所を突いている。多国的に複雑に繋がっている先端技術品目の生産網で、韓国はやむを得ずこのような輸出規制措置に被害を受けたり関わる以外にない。尿素水と半導体素材の輸出規制はきっかけかもしれない。有備無患(備えあれば患いなし)が頭をよぎる。
キム・グァンオク(啓明大学校・公共人材学部・政治外交学専攻教授)
ソース:嶺南日報(韓国語)
https://www.yeongnam.com/web/view.php?key=20211205010000422
Source:脱亜論
【韓国】輸出規制は戦争の前兆現象である