05.19
福島市「男性育休100%」「女性の再就職応援」を宣言。働き方改革で「子育てしやすい地域」に
【あわせて読みたい】職場の不公平感高める「子持ち様」問題は、有給など「使われない制度」も要因。脱“ゾンビ化”を図る4企業を取材
福島市は5月16日、「男性育休100%宣言」と「女性の再就職応援宣言」の二つを同時に宣言した。
これらはコンサルティング会社「ワーク・ライフバランス」(東京都)が提唱しているもので、「男性育休100%宣言」は209組織、「女性の再就職応援宣言」は22組織が宣言している(2025年5月16日時点)。
記者会見した同市の木幡浩市長は「子育てができる地域としてアピールし、人口の定着も目指す」と決意を語った。
【関連記事①:介護で退職、若手の転職…。「休めなかった」福島の自治体が「前例踏襲」を壊して見えたもの】
男性育休は妻と子どもの命を救う
記者会見の冒頭、ワーク・ライフバランスの小室淑恵社長が「男性育休は妻と子どもの命を救うことにもつながる」と説明した。
かつては男性育休を取ると、「妻の尻に敷かれている」と揶揄されることもあったが、パートナーの産後うつを防ぐなどの観点からも、男性育休の取得は非常に重要だと語った。
また、女性の再就職応援が必要な理由として、日本の女性は健康的で世界トップクラスの教育を受けているにもかかわらず、政治や経済で活躍する場が用意されていないと指摘した。
女性が海外で子育てをしたり、キャリアを築いたりする「大脱出」が起きているといい、「日本で活躍できるような環境を整備しなければ非常にもったいない」と訴えた。
そのほか、日本は夜遅くまで延長保育が利用できるため、長時間労働という働き方を変えることができず、限られた時間の中で仕事をしている育児や介護中の社員らが職場から敬遠されるケースがあるとも語った。
その上で、「時間外労働ができる人は年々減っていく。決められた時間の中で勝負し、多様な人材が働けるようにすることで、『お互い様』という感情が生まれて助け合えるようになる」と呼びかけた。
福島市の木幡浩市長(右)と、ワーク・ライフバランスの小室淑恵社長自治体が働き方改革に臨む意義
男性育休を巡っては、福島市はこれまで「子育てエールメッセージ」という育休取得促進策を進めてきた。
同策は、子どもが生まれた職員の職場に木幡市長自らが出向いてお祝いのメッセージを送り、育休の取得を促すだけでなく、周囲の上司や同僚にも育休取得時の協力を呼びかけるものだ。
その結果、職場全体で子育てを応援する雰囲気が高まり、男性職員の育休取得率は年々上昇。2024年度は速報値で98.3%になったという。
なかなか育休取得が進まなかった消防職員の職場も改善され、相乗効果で民間企業の取得率も増えているといい、木幡市長は「本市が率先垂範しながら社会的な意識改革を促し、男女ともに働きやすい職場環境づくりに一層取り組んでいく」と述べた。
一方、この春に市の幹部職員が介護で退職したことも明らかにし、「子育て世帯だけではなく、介護世帯なども含めて働く人の環境をサポートしていくことが重要」と、包括的な支援の必要性に関する見解も語った。
今後、同市では男性育休の重要性を伝えるセミナーを始めるほか、出産や育児によって生まれた仕事のブランクを埋めるため、専門研修やデジタルスキルを習得する機会も増やしていくという。
小室社長は、「自治体の場合、『市民サービスが低下しないか』『怠けていると思われる』と不安に感じているケースがある」とし、「働き方改革は“市民に求められていることを深く考え、先手を打った行動を取る”ことにもつながる。働き方を変えた自治体は、市民サービスの観点からも効果をあげている」と述べた。
Source: HuffPost




