01.12
ガザ地区での実際の死亡者は6万4000人以上、研究者が医学誌で報告
イスラエル軍によりガザ地区で殺されたパレスチナ人の数に関して、精密な調査が行われ、保健当局の発表より多くの人々が殺されていると推定された。
医学誌「ランセット」に結果を発表
この調査を行ったのは、イギリス・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院や、アメリカのイェール大学、また他の研究機関の研究者たちだ。
彼らは、2023年10月から2024年6月末までの間、ガザ地区でのイスラエル軍の空爆と地上作戦による死者数を推定しようとし、調査を実施。先日、医学誌「ランセット」に結果を発表した。
その研究論文によれば、この期間中、外傷による死者数は6万4260人と推定され、死者の59.1%は女性、子供、65歳以上の人々だったという。
ガザ地区の保健当局は、昨年の6月30日までに、死者数を3万7877人と報告していたが、今回の調査結果では、それよりも約40%多く、人々が殺されたと推定された。
3つのリストを徹底的に調査
この調査では、ガザ保健当局の死者数のデータや、パレスチナ人の親族に死亡を報告するために開始したオンライン調査、SNSでの死亡記事を使用したという。
研究者は、親族によって死亡が確認された人、または遺体安置所や病院によって死亡が確認された人だけを対象にし、3つのリストを徹底的に調査。またこれらに重複がないか調べ、死亡した人の総数を推定したそうだ。
その結果、2024年6月30日までに、ガザ地区で外傷による死亡者が5万5298人から7万8525人いると推定。最良の推定値は、6万4260人になったそうだ。
これは、ガザ地区の保健当局が、その時点での死亡者数を41%過小報告していたことを意味する。
また、この死亡者の推定値は、ガザ地区の人口の2.9%、「つまり住民の約35人に1人」に相当するという。
もっとも今回の調査では、外傷による死亡者のみを対象としており、医療支援や食料の不足による死亡者や、瓦礫の下に埋もれたとみられる数千人は含まれていない。
また病院の死亡者リストには、必ずしも死因が記載されているわけではないため、この推定死者数には、外傷性ではない死者も含まれている可能性があると、研究者は述べている。
ガザ地区では今年に入り、すでにイスラエル軍によって殺されたパレスチナ人の数が、4万6000人を超えており、パレスチナ中央統計局(PCBS)によれば、保健当局の公式死者数に加え、さらに1万1000人のパレスチナ人が行方不明または死亡したと考えられるという。(了)
出典元:The Guardian:Gaza death toll 40% higher than official number, Lancet study finds(1/10)
Source: Switch News