01.10
私たち夫婦が最高な性生活を続けられる秘訣【計画的セックスのすゝめ】
「今週は火曜の夜にセックスする?」
今の夫と付き合い始めた頃、当時まだ「彼氏」だった彼は私にそう尋ねた。
「もちろん」と私は答えたものの、セックスを計画するのは少し変だと思っていた。
「したいときにすればいいんじゃない?カレンダーに書き込む必要なんてある?」
すると彼はこう言った。
「この先数日は夜勤だし、娘もいるし、そう簡単にはいかないよ」
「親密な時間」を事前に計画し始めたときは、堅苦しく気まずい感じがした。でも、複数の仕事を掛け持ちし、お互いの家族と「混合家族」を築くカオスの中で、彼の言う通りだと気づいた。それは必要なことだった。
そして驚くことに、子どもたちが巣立ち、仕事量が減った後も、いつ「デートナイト」をするか事前に決めておくことを好んだ。そして20年以上経った今でもそう思っている。
熱いセックスは「燃え上がるような欲望」によるものだけじゃない
最初は、私たちのセックスライフはパッとしない(そんなことないのに)という気持ちを抱いていた。自然に沸き起こる抑えきれない欲望によるものではないからだ。でも年を重ねるにつれ、私たちが何に興奮するのかを他人に決めつけられることの弊害がはっきりと分かってきた。
何十年もの間、女性たちは膣性交によるオーガズムだけが本当のオーガズムだと聞かされてきた。実際は膣性交だけでイク女性は少ないにも関わらずーー。
また、映画やドラマ以外では他のカップルのセックスを見ることなどほぼないため、私たちはハリウッドによって、すべてのカップルは大きな呻き声をあげながら同時にオーガズムに達し、途中でペニスが萎えることなどないと信じ込ませられてきた。
熱いセックスとは、欲情を抑えきれず、お互いの服をはぎ取ることのように描かれる。でも、そんなことはそうそう起こらない。お互いにベッタリの付き合い始めの頃だけだ。もしくは、しばらく会ってなかったり、セックスが禁じられていて陰でこっそりする時などだろう。
もしあなたがその場の情熱を重要だと思っているなら、それは素晴らしいことだ。でも、あなたと相手が同じタイミングでセックスをしたいと思うことは、メディアに信じ込まされているよりずっと稀だ…特に女性にとっては。
セックス教育者のエミリー・ナゴスキーさんは自身の著書で、「自発的」と「反応的」欲求の違いをあげ、多くの男性は性欲が先にくるが、女性の場合は逆で、女性は性欲を感じる前に興奮や刺激が必要になるという。
計画的なセックスが特に女性に適しているのはそのためだ。すぐに欲情しなければならないというプレッシャーがなくなり、濃密な時間を過ごすための準備をすることができる。
もちろん、計画的なセックスは「やるべきタスク」のようでエロティックではないと考える人もいる。でも私はその逆で、セックス・恋愛セラピストのエスター・ペレルさんが言う「計画的なセックスは長い前戯」という考えに同意する。待つ時間はエロティックだ。
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「計画的セックス」への偏見
計画的なセックスは、実際はより良いセックスに導く可能性があるにも関わらず、未だに劣っていると見られている。
The Journal of Sex Researchに掲載された2023年の研究によると、ほとんどの回答者は突発的なセックスの方が良いと答えた一方、計画的なセックスからも同等の満足感を得られると報告している。この一見矛盾した研究は、突発的なセックスの方がより「本当のセックス」として信じられている可能性を示唆している。
私にとっては、計画的セックスの方がゆっくりと盛り上がることができるため、同様に「本物」だと感じている。セックスの日には、1日中常に頭のどこかでセックスのことを考えていて、パートナーも同様だろうと想像するのも楽しい。夜のことについてメッセージを送りあったりすることもある。あと、事前にボディケアをすることも好きだ。
それに、どちらかが満たされない欲求を抱えたまま眠りについたり、義務感からセックスしなければならないと感じる可能性も減るかもしれない。
セックスの回数も増えるかもしれない。ペレルさんはKinfolk誌に「献身的なセックスは高度に計画されたセックスです。ただ待っていても、セックスは起こりません」と述べている。それは事実だ。夜になると、食洗機をかけたり、テーブルを拭いたり、寝る前にやるべきことがたくさんある。あるいは、読書に夢中になってるかもしれないし、執筆の筆が進んでいるかもしれない。実際には、「やることリスト」の1番上にセックスが来ることはほぼない。
それは、私だけではない。アメリカ、イギリス、オーストラリア、ドイツ、日本での調査によると、若者を含む性交渉の頻度は減少傾向にある。性的なコンテンツを容易に観覧できることや、コンピューターゲームの利用増加など様々な要因が考えられる。
研究によると、性行為が生殖能力、パートナーとの関係における満足度、そしてがんや心臓病のリスク低減など様々な身体的健康に影響を与える可能性があるという。
しかし、定期的なセックスを維持することは、特に長年一緒にいるカップルで、他にも重要なやるべきことがたくさんある場合は困難だ。でも「今日はセックスする日」だと事前に分かっていれば、それに合わせて1日の計画を立て、セックスが優先されるため、予定が崩れる可能性はぐっと減る。
私は計画的セックスの絶対的支持者だが、予定は厳格に守らなければいけないと言っているわけじゃない。予期せぬ昼下がりの情事だって好きだ。
それより、セックスしたいと思った時だけしかしないと、セックスレスに陥りやすく、そのサイクルを抜け出すのは難しい。セックスに関しては、男女とも「使わないとダメになる」ということわざ通りだと研究が証明している。
定期的に気持ちの良いセックスをすれば、もっとしたくなるはずだが、閉経後の女性が「もうセックスなんて興味ない」と言うのをよく耳にする。そのうちの多くは、自然に欲情しないから性欲が無くなったと思っているだけではないだろうか。
自分にとって「良いセックス」とは?
私が気になるのは、計画的セックスの話題があまり取り上げられないことだ。本や映画で聞くことはないし、私の女友達との間でも話題になった記憶はない。自分のセックスが刺激的ではないと周りに思われるのが嫌で隠しているのかもしれないし、とてもプライベートなことだと感じて共有していないのかもしれない。
いずれにせよ、社会や文化が押し付けるセックスの「ルール」に私たちが挑戦しなければ、快楽や繋がりを楽しむ選択肢を狭めてしまう。映画化はしないだろうけど、私たち夫婦の計画的セックスがいかにうまく機能しているかを称えたい。
「良いセックス」とは何かを決めるのは自分とパートナーだけという考えを受け入れることで、私たちはより頻繁にセックスをするだけでなく、より満たされ情熱的なセックスをすることができるのだ。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。
Source: HuffPost