01.09
Metaが第3者によるファクトチェックを廃止へ、トランプ氏に対する敗北との批判も
Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは1月7日、自社のSNSにおける第3者によるファクトチェックを廃止すると明らかにした。
「コミュニティノート」方式に変更
ザッカーバーグ氏は、フェイスブックやインスタグラムを含む自社のプラットフォームに複数の変更を加え、「検閲を大幅に減らす」と明らかにした。
また「言論の自由を優先」し、第3者によるファクトチェックを廃止し、利用者同士が情報の正確性を指摘し合う「コミュニティノート」方式に置き換えると明らかにした。
ザッカーバーグ氏は、ファクトチェックが「政治的に偏りすぎている」とし、「Metaは、移民や性別など、主流の議論とはまったくかけ離れているトピックに関する、多くの制限を取り除く」と述べたという。
再選後、トランプ氏に100万ドル寄付
ザッカーバーグ氏は、この変更をアメリカ大統領選挙への対応だと認めており、専門家らは「大きな後退」だと批判している。
ザッカーバーグ氏はかつて、トランプ氏を批判し、同氏のフェイスブックとインスタグラムのアカウントを停止したが、2024年7月に制限を解除したという。
そしてトランプ氏は大統領選挙期間中、選挙に介入すれば、IT業界のボスを投獄すると脅しており、トランプ氏が再選された11月、ザッカーバーグ氏は彼に100万ドル(約1億5700万円)を寄付したという。
しかも先週、元イギリス副首相のニック・クレッグ氏が、Metaの国際問題担当を退任し、アメリカ共和党の有力者で、トランプ支持者であるジョエル・カプラン氏が後任に就くことが発表された。
またトランプ氏の支持者で、総合格闘技団体のCEOであるダナ・ホワイト氏も、Metaの取締役に任命されたそうだ。
今回のファクトチェック廃止について、人権団体「グローバル・ウィットネス」は、「ザッカーバーグ氏の発表は、トランプ政権に接近しようとする露骨な試みであり、有害な意味合いを帯びている」と非難。
今回の変更により、すでに嫌がらせや攻撃に直面している女性やLGBT+の人々、有色人種、科学者、活動家がネットで発言することが、さらに危険になるだろうとの見方を示した。
Metaで偽情報対策を任されていた、元アメリカ政府高官のニーナ・ヤンコウィッツ氏も、今回の変更について「トランプ氏への完全な屈服」と表現したという。(了)
出典元:The Guardian:Ditching of Facebook factcheckers a ‘major step back’ for public discourse, critics say(1/7)
Source: Switch News