12.25
ストーンヘンジは農村共同体を団結させるために建てられた可能性、研究者が主張
イギリスにある、約5000年前の巨大な環状列石・ストーンヘンジ。これが建てられた目的について、研究者が新たな可能性を示した。
700km離れた場所から運ばれた巨石
イングランド南部のソールズベリー平原にあるストーンヘンジについては、今年初め、その石がスコットランドの極北の地から、700 km以上も運ばれていたとする、驚愕の事実が明らかになった。
そして今回、ストーンヘンジの第一人者で、考古学者であるユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのマイク・パーカー・ピアソン教授は、なぜ石が長い距離をかけて運ばれたかについて、新たな提案をしたという。
ピアソン教授は、学術誌「考古学インターナショナル」に掲載される予定の論文において、ブリテン島に文化的摩擦があった時代、初期の農村共同体を団結させるために、ストーンヘンジが建てられた可能性があると主張している。
政治的同盟の印として贈られた可能性
そもそもストーンヘンジには祭壇の石と呼ばれる平らに置かれた石があるが、ピアソン教授によれば、この石がスコットランドから運ばれた可能性があるという。
実際、スコットランド北東部には、石が意図的に平らに置かれたストーン・サークルが複数あるそうだ。
そしてピアソン教授は、この祭壇の石が、遠く離れたスコットランドのモニュメントから取り外され、政治的同盟の贈り物または記念として贈られた可能性があると主張している。
移民が流入し、文化も変化
考古学者らは、紀元前2500年ごろ、ストーンヘンジが元の形から改造されていた頃に、祭壇の石が設置された可能性があると考えている。
そして当時は、ヨーロッパ本土から新たな移民が押し寄せ、イギリス文化に変化が起きていた時期だったという。
そのためピアソン教授は、「ストーンヘンジは団結を主張する試みであり、宗教的な記念碑であると同時に政治的な記念碑であると考えるべきだ」と主張している。
ストーンヘンジの巨石は、平原から20km離れた場所や、ウェールズから運ばれたことも分かっており、実際にイギリス各地から集められていたという。(了)
出典元:The Guardian:Stonehenge may have been erected to unite early British farming communities, research finds(12/20)
Source: Switch News