12.20
夫が妻に薬物を飲ませ複数の男にレイプさせた事件、51人に有罪判決
フランス史上最悪とも言われるレイプ事件の裁判が行われ、12月19日に判決が下された。
26歳から74歳までの男ら全員が有罪
この裁判では、元夫のドミニク・ペリコ被告(72)が、南フランスの自宅で約10年に渡り、元妻のジゼル・ペリコさん(72)に薬物を飲ませ、昏睡状態にさせた上で、50人の男にレイプさせていたことが明らかにされた。
そして19日には、ドミニク・ペリコ被告に20年の刑が言い渡され、刑期の3分の2を終えるまで、仮釈放されないとの判決が下された。
またドミニク被告の誘いに乗り、ジゼルさんをレイプした看護師や軍人、ジャーナリスト、刑務所の所長、配達運転手を含む、26歳から74歳までの男たち全員に対しても、有罪判決が下されたという。
このうち47人が強姦罪、2人が強姦未遂罪、2人が性的暴行罪で有罪になったそうだ。
世界の指導者も勇気を称賛
判決後、ジゼルさんは裁判所の外で、裁判を公開で行うために匿名にしなかった自分の決断を後悔していない、と語ったという。
また「(性暴力の)被害者の話が闇に葬られることが多い。認識されていない被害者たちのことを考えていた」とし、「私たちが同じ戦いをしていることを知ってほしいのです」と述べたそうだ。
彼女の毅然とした態度は賞賛を集めており、ドイツのショルツ首相も「ありがとう、ジゼル・ペリコ!あなたは勇気を持って匿名から公の人となり、正義のために戦いました。あなたは世界中の女性に、強い声を与えました。恥は常に加害者側にあります」と述べたという。
またスペインのペドロ・サンチェス首相も「なんという威厳だろう。ありがとう、ジゼル・ペリコ」と称賛したそうだ。
フランス「緑の党」のMarine Tondelier党首も、「この裁判は、社会のタブーを打ち破り、レイプ文化との戦いの転換点となった」と述べた。
ジゼルさんをレイプした男たちの刑期は3年から15年までで、数年間の停職処分を受けた者もいたが、検察官が求刑した量刑よりも短かったことから、判決に失望する人もいたと言われている。(了)
出典元:The Guardian:Gisèle Pelicot rape trial: ex-husband jailed for 20 years as all 51 men found guilty(12/19)
Source: Switch News