12.12
イスラエル軍がシリアに対し、48時間で約480回の空爆を実施
イスラエル軍は12月10日、シリアの軍事施設などに対し数多くの空爆を実施したと明らかにした。
シリアの軍事能力の約80%を破壊
イスラエル軍は、12月8日にシリアのアサド政権が崩壊した後、「テロの脅威を防ぐ」との名目で、ゴラン高原の占領地と、シリアの他の部分の間に設けられた、国連の監視下にある非武装緩衝地帯へ侵攻を開始した。
また同時に、シリア政府軍の装備を反政府勢力に渡さないためだとして、シリア各地の基地などを空爆し続けてきた。
イスラエル軍は10日、過去48時間でシリアの戦略的軍事目標に約480回の攻撃を実施したと発表。これらの標的には、海軍艦艇15隻、対空砲台、複数の都市の兵器製造施設が含まれていたとし、声明で次のように述べた。
「過去48時間以内に、イスラエル軍はシリアの戦略兵器備蓄のほとんどを攻撃し、テロリストの手に渡るのを防いだ」
またイスラエル軍のラジオは、空爆により、シリア軍の軍事能力の約80%を破壊したと発表。シリア政府軍の戦闘機や戦闘ヘリコプター、地対空ミサイル砲台、スカッドミサイルと巡航ミサイル、ドローン、武器庫、弾薬製造施設、イランと関係のある軍施設を破壊し、ミサイル艇15隻を沈めたと明らかにした。
しかしこれらの行動には、世界中から非難の声が上がっている。
Aftermath of Israeli attacks on Barzah scientific research centre north of Damascus.
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— Al Jazeera English (@AJEnglish) December 10, 2024
Syrian navy ships in Latakia destroyed by Israeli attacks.
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— Al Jazeera English (@AJEnglish) December 10, 2024
ダマスカスや他の都市へも攻撃
イスラエル軍はシリアにおいて、史上最大の空爆を実施したと主張しており、シリアの首都・ダマスカスではMezzeh空港が狙われたという。
ダマスカスの北にある第3の都市・ホムスでもシリア政府軍の基地が攻撃され、シリア北東部のトルコ国境付近にある都市、Qamishliでも空軍基地が破壊されたそうだ。
イスラエル軍は、シリア西部の沿岸都市・ラタキアでも、シリア艦隊全体を破壊したと主張しており、現在はシリアの防空システムを標的にしようとしている。
中東メディア「アルジャジーラ」の上級政治アナリストであるMarwan Bishara氏によれば、ネタニヤフ首相率いる政府の閣僚の多くは、シリアやヨルダン、レバノンの一部を「約束された『大イスラエル』の一部」と認識しているという。
その上でBishara氏は「彼らは領土拡大のためにあらゆる口実、あらゆる機会を利用しており、継続的に領土を拡大し、周囲の弱点を利用するだろう」との見方を示している。
一方、イスラエル軍は11日、停戦中にも関わらず、レバノン南部を空爆し、レバノンの保健省によれば、この攻撃で5人が死亡したという。
またイスラエル軍はガザ地区でも攻撃をし続けており、11日には北部のベイト・ラヒヤで22人のパレスチナ人が殺害され、中部のヌセイラト難民キャンプでも、少なくとも7人が殺された。(了)
出典元:Aljazeera:Syria live news: Syria’s new PM meets old gov’t officials to aid transition(12/10)
Source: Switch News