2024
12.10

生物多様性と、変わる「動物園の使命」。アドベンチャーワールドで、NTTドコモの社員が学んだサステナブル経営とは?

国際ニュースまとめ

人間活動によって脅かされる生物多様性とその保全に関する知見を広げようと、NTTドコモの社員10人が11月14日、ジャイアントパンダ飼育などで知られる和歌山県のテーマパーク、アドベンチャーワールドを訪れて勉強会を開催した。

イルカショーが行われる水槽(上)とジャイアントパンダイルカショーが行われる水槽(上)とジャイアントパンダ

NTTドコモは取締役会の直下にサステナビリティ推進委員会を設け、資源循環や温室効果ガス排出量削減などの対策を進めてきた。今後、気候変動への対応から、生物多様性にもさらに取り組みを広げるにあたり、様々な先進事例を学んでいこうと今回の視察が実現したという。

時代の中で変化した「動物園の立ち位置」

勉強会のセクションでは、アドベンチャーワールドを運営する株式会社アワーズの経営企画室長 SDGs担当GMの金崎伸一郎さんが、変化した動物園のあり方を説明した。

金崎さんは、「動物園の始まりは、ヨーロッパにおいて、植民地から珍しい動物を連れて来て見せる、人間の好奇心を満たす存在でした。しかし時代の流れとともに、種の保存や教育の場として変化してきました。アドベンチャー ワールドにはいのちについて問い、ともに考える役割があると、私は思っています」と話した。

同園では30年にわたってジャイアントパンダの日中共同繁殖研究を行ってきた。17頭のパンダの育成に成功し、 現在全世界で飼育下のパンダの数は600頭まで回復した。

主に草食動物のふんを堆肥化したり、パンダのエサの調達が竹林整備に繋がっていたり、食べ残した竹を海に沈めて 海洋生物の住処や、イカの産卵場所とするなど、社会や動物の生態系保全に寄与する様々な取り組みを行ってきた。

アドベンチャーワールド内の「サファリワールド」を見学する一行アドベンチャーワールド内の「サファリワールド」を見学する一行

その他にも、人気保育士てぃ先生との体験学習プログラムや、子どもの終末期医療に動物が関わる仕組み、障がいのある子どもとその家族1000組を招待しての貸し切りイベント『ドリームデイ・アット・ザ・ズー』などの取り組みを実施しているという。

また、園内のレストランをユニバーサルレストランにリニューアルし、重度の障がいによって外出が困難な人が、分身ロボット「OriHime」の操作を通じて接客や配膳ができる仕組みづくりにも挑戦しているという。

サファリレストラン「Jambo」に導入されている分身ロボットOriHimeサファリレストラン「Jambo」に導入されている分身ロボットOriHime

金崎さんは「アドベンチャーワールドはエデュテイメント(楽しみながら学習する)パークを目指します。動物たちと一緒にワクワクすることしましょう!」と活動紹介を締め括った。

サステナビリティと職員の自己実現

さらに、多様な領域の持続可能性がある中で、同社が最も大切にしているのが、社員の「Smile」、つまり社員ひとり一人の自己実現による持続可能な社会への貢献だという。

金崎さんは「テーマパークは非日常を楽しんでいただく場所ですが、働き手の日常もとても大切です」と説明。採用の段階から、個人の人生理念を考えてもらい、企業理念と個人のマッチングを重視しているという。そして、仕事を通して、自己実現できるかをを共に考えるという。

ジャイアントパンダが食べる竹5000本で作られたアート作品「きらめく丘」。作品コンセプトの「つながり」という概念は、人間と動物が世代を超えて受け継がれていくことを意味しているという。ジャイアントパンダが食べる竹5000本で作られたアート作品「きらめく丘」。作品コンセプトの「つながり」という概念は、人間と動物が世代を超えて受け継がれていくことを意味しているという。

見学したメンバーの1人、NTTドコモサステナビリティ推進室の通山恵麻さんは「一つ一つの取り組み自体も素晴らしいですが、サステナブル経営自体の仕組みにも感銘を受けました。現場の従業員一人一人に考え方が浸透しており、押し付けられるのではなく社員自ら、実践するため、参考になる仕組みをたくさん学びました」と話していた。

…クリックして全文を読む

Source: HuffPost