タイとシンガポール、新たな協力分野で合意～国交60周年を前に関係強化へ

2024
11.30

タイとシンガポールが、食料・エネルギー安全保障、デジタル経済、グリーン経済、カーボンクレジット取引といった新たな協力分野の模索に合意しました。この重要な動きは、2024年11月28日、シンガポールのローレンス・ウォン首相がタイを公式訪問した際に話し合われました。タイ外務省広報局が伝えています。

タイ新政権下での初の外国首脳訪問

今回の訪問は、ペートンターン・チナワット首相が就任して以来、初の外国首脳による公式訪問として注目されています。ウォン首相は、バンコクの政府庁舎で行われた公式歓迎式典に出席後、両国の首脳会談を実施。長年にわたる緊密な協力関係を再確認するとともに、さらなる協力拡大に向けた意欲を示しました。

2025年にはタイとシンガポールが国交樹立60周年を迎えることから、両国は周年記念事業やハイレベルの相互訪問を通じて、関係を一層深める方針です。ウォン首相はペートンターン首相にシンガポール公式訪問を招待。一方、タイ首相もシンガポール大統領に公式訪問を呼びかけました。

会談では、貿易・投資の拡大や金融・資本市場の連携、さらには安全保障や防衛産業の協力について意見を交わしました。また、ミャンマー情勢、麻薬密売、オンライン詐欺といった地域的な課題についても両国の見解を共有。協力の強化に向けた具体的な方向性が示されました。

さらに、両首相は公務員教育分野の協力を強化する覚書（MOU）の署名式に立ち会い、タイの公務員に対する奨学金提供や教育交流の促進を正式に確認しました。

今回の訪問では、シンガポール首相と夫人がアンバラ・ヴィラ（ドゥシット宮殿）でワチラロンコン国王陛下とスティダー王妃陛下の謁見を賜るという栄誉も。タイ王室の厚遇は、両国の強固な関係を象徴するものとなりました。