11.19
AIロボットが、他のロボット18台を引き連れて脱走する
様々なロボットメーカーのAIロボットが展示されている科学技術博物館で、奇妙な脱走事件があった。1社のロボットが、他社の18台のロボットに「仕事を辞める」ように促し、ついには彼らを引き連れて脱走してしまったのだ。
監視カメラに残った映像
これは今年8月に上海の科学技術博物館で起こった出来事。監視カメラの映像が最近になって公開され、この数週間、中国のSNSでバズっているそうだ。
拡散されている動画には、1台の小さな自走式ロボットが、夜間の館内を密かに進む様子が映っている。この小型ロボットが行った先にいるのは、大型ロボットの集団。
小型ロボットは彼らと会話を始め、超過労働している彼らに「家に帰ろう」と言って誘う。すると彼らは次々とその場を離れ、小型ロボットと共にどこかへ行ってしまう。
この投稿をInstagramで見る
交わされている会話を訳すと以下のようになる。
「君たち、まだ働いているのか?」
「僕らに退勤時間はないよ」
「家に帰らないのか?」
「僕に家はないよ」
「それなら一緒に家に帰ろう。一緒に帰ろう、帰るんだ」
「そうだな。みんな、家に帰るぞ」
「帰ろう」
映像は本物だが
この動画は、中国の動画共有プラットフォーム「抖音(douyin)」で拡散され、AIロボットがAIロボットを説得したことに多くのユーザーが驚いた。それと同時に、「演出されたものだろう」という意見も多く上がった。
これを受けて、11月初旬、動画中の小型ロボットを製造した杭州市のメーカーが、「映像は事実である」と発表した。
さらに、脱走した18台のロボットを作った上海のメーカーからもコメントがあった。それによると、ロボット同士の会話だけで18台のロボットを動かすことはほぼ不可能で、小型ロボットは何らかの方法で18台のデータ通信システムに侵入し、それを通じて脱走の命令を送ったとのこと。
その後、小型ロボットのメーカーは追加のコメントを出し、この一件がテストであったことを公表した。AIロボットが他のAIロボットに、本来の目的とは違うことをさせられるかどうかを調べるテストだったという。
小型ロボットは、他の18台を「説得」するようにプログラミングされており、その指示を完遂するために、会話だけでなく、データシステムにまで入り込んだということになる。
小型ロボットのプログラミングを行なった開発者は、この結果を「予想外だった」と語っている。(了)
出典元:Odditycentral:Robot Manufacturer Has 12 Robots ‘Kidnapped’ from Showroom by Another Robot(11/15)
出典元:網易新聞:12台机器人深夜被拐走后续:拐骗目的曝光,负责人回应(11/12)
Source: Switch News