2024
09.19

保育園の急なお迎え、仕事の中抜け…「突発対応」は女性に偏り。Indeedが調査、共働きのジェンダーギャップは

国際ニュースまとめ

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「女性は男性よりも子どもの誕生などを機に仕事や働き方が変わっている」「急なお迎えなどのイレギュラー対応は女性に負担が偏っている」ーー。

求人サイトを運営する「Indeed Japan」(東京都)は、「子育てをしながら働く男女のジェンダーギャップ」に関する調査結果を公表した。

育児の突発的な仕事の「調整理由」や、仕事を中断・休むといった「調整内容」などは女性にしわ寄せがいっており、男女間に「仕事の調整格差」があることがわかったという。

育児を機に仕事や働き方が変わった?

調査は8月8〜9日、0〜12歳の子どもがいる18〜49歳の既婚者を対象にインターネット上で実施した。

まず、子どもが生まれるまで正社員として働いてきた人(男性952人、女性1108人)に、「自分もしくは配偶者やパートナーの第一子の妊娠・出産や育児をきっかけに、仕事や働き方が変わったか(変える予定か)」を尋ねた。

すると、「変わった(変える予定)」と答えた人は、男性34.5%女性62.3%だった。女性は男性より27.8ポイントも高く、ジェンダーギャップがあることがわかる。

また、「仕事を辞めた(辞める予定)」と答えた人は、男性3.4%女性13.7%で、女性は男性より4倍以上高い割合となった。

第一子の出産や育児などをきっかけに仕事や働き方が変わったか第一子の出産や育児などをきっかけに仕事や働き方が変わったか

キャリアを変えたことに不満。理由は?

さらに、第一子の妊娠・出産や育児を機に仕事や働き方を変えた人(男性328人、女性691人)に「仕事や働き方・キャリアを変えたことに満足しているか」と質問した結果、男性は14.7%女性は34.7%「不満である」と回答した。

不満の理由(複数回答)を回答者(男性48人、女性239人)に聞くと、男女とも最も多かったのは「やりたい時間・量で働けていないため」で、男性44.7%、女性51.7%だった。次に多かったのは男女とも「目指す収入が得られなくなったため」で、男性33.7%、女性51.0%だった。

3番目と4番目は男女で答えが異なり、男性「キャリアアップにチャレンジできないと感じているため」(28.4%)、「環境や周りの理解があれば、本当は働きたかった/違う働き方がしたかったため」(21.7%)と続いた。

女性「パートナーではなく、自分だけが変更を強いられていると感じるため」(44.0%)、「キャリアが中断されたと感じるため」(29.6%)という順になり、男性よりもキャリアの継続そのものが難しいと感じていることがわかった。

男女間のスコア差で最も差があったのは、「パートナーではなく、自分だけが変更を強いられていると感じるため」で、女性(44.0%)男性(12.2%)より31.8ポイントも大きかった。

満足していない理由満足していない理由

育児の割合は?仕事の調整は?

調査は、子育てをしながら夫婦ともに正社員として働いている人(男性550人、女性628人)を対象に「家庭における自身と配偶者・パートナーの育児割合」についても尋ねた。

すると、男性では「夫3割:妻7割」(26.8%)が最多で、「夫5割:妻5割」(20.4%)と続いた。女性では「夫2 割:妻8割」(19.6%)が最多で、次いで「夫5割:妻5割」(17.3%)だった。育児を平等にしている家庭は2割前後にとどまっている。

さらに、正社員夫婦に「現在、育児のために、緊急の早退や残業、同僚への業務の相談など仕事の調整が必要なことがどの程度ありますか」と質問したところ、男性の平均調整頻度は月1.25回女性の平均調整頻度は月1.34回だった。

女性は男性よりやや高いものの、そこまで大きな差ではなかった。しかし、「仕事の調整理由」(複数回答)には、一部で大きな差が見られた。

最も差があったのは「子どもの急な体調不良など不慮の対応」で、男性54.5%、女性71.2%と、16.7ポイントの差があった。次に、「子どもの関連行事への参加」で、男性35.5%、女性48.6%と、13.1ポイントの差があった。

つまり、急な保育園のお迎えなどイレギュラーな対応による仕事の調整については、女性に負担が偏っているということだ。

「第一子誕生後に増加した仕事の調整内容」(複数回答)を聞いても、「欠勤・有給取得の頻度」は、男性46.6%、女性66.6%で20.0ポイントの差があり、「遅刻・早退・中抜けの頻度」も、男性35.1%、女性62.1%で27.0ポイントの開きがあった。

育児のために「仕事の調整」が必要な理由育児のために「仕事の調整」が必要な理由

企業に求められること

調査結果の中で、慶應大の中室牧子教授は「男性の家事・育児負担率が高い国ほど出生率も高い傾向があることはよく知られている。男性が家事・育児に参加することで、出産についての夫婦の意見が一致しやすいからだ」と指摘。

育児のために仕事の調整が必要な「調整負担」が女性に偏っている現状は問題で、子どもの出産・育児をきっかけに働き方・キャリアを変えた女性が多いという結果からも、「女性のほうが子どもを持つことで支払う機会費用が大きいことを伺わせる」とした。

そして、子どもが生まれてから仕事の遅刻・早退・中抜けが増加したり、欠勤や有休取得の頻度が増加したりした女性が多いという結果にも触れ、「子どもの学齢が小さいうちは時間に縛られない自由な働き方ができるように配慮するなど、企業の側での対応も求められる」と提言した。

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Source: HuffPost