09.09
仏パラ選手が試合後にゲイであることを公表。レインボーを手に「この瞬間を待ち望んでいた」
パリ・パラリンピック男子走り幅跳びで4位に入賞したフランスのディミトリ・パヴァデ選手が、ゲイであることをカミングアウトした。
パヴァデ選手は、3年前の東京大会で銀メダルを獲得している。9月4日に行われたパリ大会男子走り幅跳び(T64)決勝では、わずか0.06メートル差で表彰台に届かなかったものの、4位になった。
パヴァデ選手は決勝後の7日、レインボーカラーで彩られた男性を表す性別記号を手にして微笑む写真をインスタグラムに投稿し、ゲイであることを伝えた。
【画像】レインボーカラーで彩られた性別記号を持って、ゲイであることを公表したディミトリー・パヴァデ選手
キャプションには「新たな闘いが待っています。この瞬間を待ち望んでいました。周りに何を言われようとどう思われようと関係ありません。私はもう一度立ち向かい、克服し、前進する準備ができています」とつづっている。
「私は小柄で、メティス(先住民族とフランス系住民のあいだに生まれた子ども)で、足は一本です。そして、ゲイなのです!!!」
「私や同じような立場の人たちは、自ら選択したわけではありません。だから、惨めなスピーチや根拠のない批判はやめてほしい。それで世界を変えることはできません」
オリンピック公式サイトによると、パヴァデ選手はマダガスカル島の約680キロ東にあるフランス領レユニオン島で生まれ育った。
2007年のクリスマス・イブに、職場だったレユニオン島の港でフォークリフトにはねられて負傷し、右足の脛骨(けいこつ)を切断したという。
事故後、パヴァデ選手は再び自力で歩くことを決意し、リハビリを懸命に行った。その決意が現実となった後に出会ったのが、パラ陸上競技だった。
ブレード(板バネ)を使って、走ったり跳躍したりすることを学んだパヴァデ選手は、走り幅跳びのフランス代表になり、パラリンピックのほか欧州選手権や世界選手権に出場している。
パヴァデ選手は、これまで障害者を代表する人になりたいという夢を持っていたが、LGBTQIA+コミュニティのために闘いたいという願いも加わったとインスタグラムで伝えている。
また、ありのままに生きるのが難しいと感じているアスリートや、自分のアイデンティティを公表できない人々に「強さと勇気」を与える存在でありたいともつづっている。
「障害は隠したり恥じたりするものではありません。性的指向も同じです」
「だから自分自身を受け入れて、孤独ではないことを忘れないでほしい。人生はとてもに短く、たくさんの美しいものがあるのですから」
アウトスポーツによると、パヴァデ選手を含めて5人のゲイをカミングアウトした選手がパリパラリンピックに出場している。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。
Source: HuffPost