12.17
芸能界の偽スカウトが横行…「名刺もってない」「極秘プロジェクトだから」大手事務所が若者に注意呼びかけ
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大手芸能事務所のアミューズが、同社の社員や関係者などとかたる「にせもの」「なりすまし」のスカウトについての通報が増えているとして、公式SNSなどで注意を呼びかけている。
タレントやモデルの契約トラブルについては、12月12日に消費者庁所管の国民生活センターも注意喚起しており、具体的な相談事例や手口についても公表している。
「スカウトは極秘プロジェクトだから」…ホテルに呼び出す悪質な事例も
アミューズの法務部は12月14日に公式Xに、冬休みに入る学生らに向け、偽のスカウトについて「十分にお気を付けください」と投稿した。
偽のスカウトが声かけの際に使う言葉に、以下のようなものがあるという。
・今日は休日だから、名刺も社員証も持っていない
・今回のスカウトは極秘プロジェクトだから、アミューズに問い合わせても、会社の人は僕のことは知らないととぼけるかもしれない
・僕はアミューズさんのトップから頼まれたプロのスカウトなので、アミューズの名刺や社員証はない。アミューズさんの平社員は、僕のことは知らない
・僕はアミューズさんの社員ではなくてアミューズさんの代理のスカウト。アミューズさんにはマネージャーはいるけどスカウトするための人はいない
・アミューズに問い合わせるのなら、君は終わり。スカウトである僕のことを信用してくれないということになるから、僕も君を信用できない
アミューズのスカウトでは、このような言葉は使わないという。
さらに、偽スカウトは信用を得るために、同社の東京オフィスを待ち合わせ場所に指定したあと、直前になって「前の仕事が延びたので、すいませんが場所を変更させてください」などと言って、ホテルなどの別の場所に呼び出すという悪質な事例も発生しているという。
同社は、少しでも怪しいと感じたら通報するよう周知。通報を受けた場合、該当部署に本物のスカウトかを確認するとして、「通報への当社からの返信があるまでは、指定された場所に行ったりしないでください」と呼びかけた。
同社は公式サイトにスカウトについての5つの遵守事項を記載しており、▽写真入りの社員証を携帯かつ掲示▽未成年者をスカウトする場合は、必ず保護者に連絡し、説明と了承を得る▽金品などは要求しない▽その場で契約書の署名捺印を求めることはない、などと説明している。
強引に契約を勧めてくる事業者も
国民生活センターには、タレントなどの契約トラブルとして以下のような相談が寄せられているという。
・ネットでタレントオーディションの広告を見つけ、面接審査を受けた。「合格」と連絡があり事務所に行ったところ、急かされて高額なマネジメント契約をしたが、解約したい。(20歳代、女性、大学生)
・映画のキャストの募集を見つけ、面接に出向くと「映画のオーディションを受けるには出演した実績が必要なので当社に登録しないか」と勧誘された。仕事をもらうために業務提携契約をし、解約を申し出たら高額な解約料を請求された。(20歳代、女性、大学生)
国民生活センターは、こうした手口の特徴を「夢につけ込んで有料のレッスンやマネジメント等の契約を勧めます」と説明。中には、「すぐに仕事が入るから問題ない」と借金などしても契約するよう強引に勧めてくる事業者もいるというが、周囲の人に相談するなど、「『冷静』『慎重』な判断を心がけましょう」と呼びかけている。
また、オーディションや面接のために出向いた事務所で、不意打ち的に契約を求められる場合もあるが、その場では契約せず、具体的な活動内容やサポート体制、それらに伴う費用負担がある場合はその内訳など、契約内容をよく確認することが必要だとしている。
少しでも不安に思った場合は、消費生活センター等に相談できる。
消費者ホットライン:「188」
※最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等を案内する全国共通の3桁の電話番号
Source: HuffPost