2023
08.01

パクチーの味が苦手だと感じる遺伝子タイプが多い都道府県ランキング発表!1位 福井県、2位 熊本県、3位 三重県

国際ニュースまとめ

タイ料理大好き!という人の中にもパクチーだけは苦手という人も少ないようで、パクチーの独特の香りは好き嫌いがわかれます。そんな中で「パクチーの味が苦手だと感じる遺伝子タイプが多い都道府県ランキング」が発表されました。

株式会社ユーグレナは、8月9日のパクチーの日を前に、ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストの遺伝子解析サービスのゲノムデータをもとにした「パクチーの味が苦手だと感じる遺伝子タイプが多い都道府県ランキング」を公開しました。
※ 出生地に関するアンケートから都道府県を出しています

 ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストの遺伝子解析サービスは、個人の健康リスク・体質・祖先について350項目以上の遺伝子型を解析し、どのような病気にかかりやすいか、どのような体質の遺伝的傾向があるかについて結果を提供するサービスです。遺伝子解析項目は定期的に追加され、2023年は、健康リスクでは「子宮筋腫」「緑内障」などの項目、体質では「睡眠中の歯ぎしり」「昼寝習慣」「眉毛の濃さ」「体毛の濃さ」「髪質(直毛・くせ毛)」などの項目の結果を新たに提供できるようになりました。なお、追加された項目の結果を知るのに再度解析の必要はありません。

 ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストの遺伝子解析サービスの利用者の中から20,000人以上のゲノムデータを用いて、これまで、さまざまな遺伝子タイプに関する都道府県ランキングを発表していて、今回は、8月9日のパクチーの日を前に、パクチーを食べた時に「石鹸のような味」と感じやすいかどうかに関する項目「パクチーの味の感じ方(SNP:rs72921001)」に注目し、解析しました。

 

■なぜ石鹸のような味と感じるのか

 パクチーは香草の一種です。英語では「コリアンダー」、中国語では「香菜(シャンツァイ)」と呼ばれ、もともと和名では「コエンドロ」と呼ばれていましたが、今はタイ語の「パクチー」という名称が日本でも一般的になってきました。葉や茎の部分は独特の芳香を持っていて、世界中のさまざまな料理に用いられています。

 パクチーは食品の中では珍しく、好き嫌いがはっきりと分かれると言われています。食品の好き嫌いには味や匂いといった風味の感じ方が影響すると考えられていて、実際、パクチーを好きな人はパクチーを新鮮で香ばしい、柑橘系の風味と感じる一方で、パクチーが嫌いな人は石鹸のような風味と感じると言われています。このパクチーの独特な芳香は脂肪族アルデヒドによるものとされています。

 アルデヒドは脂肪臭とも呼ばれ、脂っこく、鼻に残るような匂いがします。代表的なアルデヒドには、シックハウス症候群の原因と考えられている「ホルムアルデヒド」、アルコール代謝で発生する「アセトアルデヒド」などがあります。また、アルデヒドは香料として香水を作る際にも使われ、他の香料と上手く組み合わせると魅惑的な香りに仕上げることもできます。身近なものでは石鹸にも使われているため、アルデヒドが含まれたパクチーを石鹸のような味と感じる人がいると考えられます。

 

■遺伝子型との関連

 2012年に「Flavour」誌で発表された論文によると、アメリカの遺伝子解析サービスを行う23andMe社による研究で、同社の遺伝子解析サービスのユーザーを対象に、主に「パクチーに石鹸のような味を感じるか」と、「パクチーの味が好きかどうか」の2つの質問をしました。この回答と遺伝子解析結果を用い、パクチーの味の感じ方に関連する遺伝子型がないか探索したところ、匂い物質の感知に関係する遺伝子(嗅覚受容体遺伝子)群の中にある遺伝子型「SNP:rs72921001」がパクチーの独特な芳香の感受性に関連していることが明らかになりました。 SNP:rs72921001という遺伝子型で「C」を持っているほど、パクチーを石鹸のような味と感じやすい傾向があり、パクチーを苦手だと感じる人が多いということです。遺伝子型「SNP:rs72921001」 の付近に存在するOR6A2という遺伝子はパクチーの独特な芳香の成分であるアルデヒドの感知に関連していることが知られており、パクチーの匂いを感知する役割があるのかもしれません。※2

※2 根拠とする文献は次の通りです。Eriksson N et al. (2012) “A genetic variant near olfactory receptor genes influences cilantro preference.” Flavour 1:22.

 遺伝子解析項目「パクチーの味の感じ方(SNP:rs72921001)」には3つの遺伝子型があり、「パクチーが苦手な可能性はより低めのタイプ(遺伝子型:AA)」、「パクチーが苦手な可能性は低めのタイプ(遺伝子型:AC)」、「一般的なタイプ(遺伝子型:CC)」に分けられます。

 

■調査結果

 今回の調査では、パクチーを食べた時に石鹸のような味と感じる「一般的なタイプ(遺伝子型:CC)」に該当する人の割合を都道府県(出生地)別に算出し、数値化しました。

 上記の解析結果より、パクチーの味が苦手だと感じる遺伝子タイプの人の割合が相対的に高い都道府県は、1位 福井県、2位 熊本県、3位 三重県、4位 和歌山県、5位 群馬県、6位 沖縄県、7位 滋賀県、8位 山梨県、9位 神奈川県、10位 兵庫県となりました。

■日本人の半数以上は遺伝的にパクチーが苦手!?

 今回の調査で、パクチーを食べた時に石鹸のような味と感じる「一般的なタイプ(遺伝子型:CC)」に該当する日本人の割合は52.9%でした。つまり、日本人の半数以上は遺伝的にパクチーが苦手だと推測できます。

 さらに、「一般的なタイプ(遺伝子型:CC)」に該当する人の割合を人種別にみてみると、割合が多い順に、アフリカ集団(64%)、東アジア集団(47%)、ヨーロッパ集団(39%)、南アジア集団(34%)などという結果となり、人種によってもパクチーの味が苦手だと感じる遺伝子タイプの割合に差があることが分かりました。ご自身のタイプが気になる方は、この機会に「遺伝子解析サービス」でチェックしてみてください。

 

■調査概要

調査方法:ゲノムデータの解析をもとに調査
調査対象:「ユーグレナ・マイヘルス 遺伝子解析サービス」、「ジーンクエストALL」の利用者
対象者数:ゲノムデータ:21,371人
調査時期:2023年7月
調査項目:ゲノムデータ「パクチーの味の感じ方(SNP:rs72921001)」の項目について、パクチーを食べた時に石鹸のような味と感じる「一般的なタイプ(遺伝子型:CC)」に該当する人の割合を都道府県ごとに算出

 

■「ユーグレナ・マイヘルス 遺伝子解析サービス」について

 個人の健康リスク・体質の遺伝的傾向・祖先のルーツについて350項目以上の遺伝子型を解析するサービスです。太りやすさなどの体質や、がん・糖尿病などの病気発症リスクに関する遺伝子情報、病気の予防のためにあなたができることをチェックできます。また、体質や病気の発症は遺伝要因だけでなく、食生活や生活環境など環境要因も大きく影響を受けるため、自分の遺伝子情報を理解したうえで生活習慣を見直す際のヒントとなります。

https://myhealth.euglena.jp/products/gene_analysis/

<ユーグレナ・マイヘルスについて>

『ユーグレナ・マイヘルス』は、「科学(Science)」「信頼(Credible)」「パーソナル(Personal)」の3つを軸に展開するユーグレナ社の検査サービスブランドです。学術研究などに基づいた多様な検査サービスを通じて、お客様の健康リスクや体質、健康状態を把握していただいたうえで、一人ひとりに対応したヘルスケアソリューションの提供を目指しています。今後、複数のサービスを『ユーグレナ・マイヘルス』にて展開することで、ヘルスケアに関するビッグデータを1か所に集積し、中長期的には、そのビッグデータを活用した科学研究の推進を通じて、生命科学の発展とより付加価値の高いヘルスケアソリューションの提供を目指します。https://myhealth.euglena.jp/

<株式会社ユーグレナについて>

2005年に世界で初めて微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養技術の確立に成功。微細藻類ユーグレナ、クロレラなどを活用した食品、化粧品等の開発・販売のほか、バイオ燃料の製造開発、遺伝子解析サービスの提供を行っています。また、2014年よりバングラデシュの子どもたちに豊富な栄養素を持つユーグレナクッキーを届ける「ユーグレナGENKIプログラム」を継続的に実施。「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」をユーグレナ・フィロソフィーと定義し、事業を展開。https://euglena.jp

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