07.11
ランヤウイルスへの警戒を呼びかけ
タイの医療ゲノムセンターは、ヘニパウイルスの一種である「ランヤウイルス」に備えるよう国民に警告を発しました。 この病原体は世界中の科学者と世界保健機関(WHO)によって注意深く監視されており、世界の健康に潜在的な影響を及ぼします。2023年7月11日にタイ国営メディアNNTが伝えています。
マヒドン大学ラマティボディ病院のウイルス学研究室および医療ゲノムセンター所長のワサン・チャントラティタ博士は、ヘニパウイルス群は動物から人間に感染する可能性のある人獣共通感染症ウイルスであると説明しました。
このウイルスは、2018年から2022年にかけて中国の山東省と河北省の農民35人で最初に確認されました。ウイルスのスパイクタンパク質がヒトの細胞に結合する可能性があることを示唆する研究データがあるため、この新たな病気の出現には細心の注意が必要です。
これにより、動物から人へ、そして最終的には人から人への感染を介して広がる可能性があるため、感染率の潜在的な増加と新型コロナウイルスとの類似性についての懸念が生じています。 先週の1日当たりの新型コロナウイルス感染者数は前週からほぼ半減したにもかかわらず、医師らは追加ワクチン接種を受ける重要性を引き続き強調しています。
それでもワサン博士は、タイは原因不明の感染症を検出するために臨床メタゲノミクス技術を活用するなど、健康上の脅威に対応する用意があると断言。 ウイルスと戦うための潜在的な医学的対策には、ゲノムの解読が含まれており、24~48時間以内に結果が得られます。 これにより、公衆にとって潜在的な脅威となる、緊急または再発する病気のタイムリーな制御、予防、治療が可能になります。
■Public Urged to Prepare for Emergent ’Langya’ Virus|NNT
ランヤウイルスを含むヘニパ関連ウイルス
2018年4月~2021年8月に, 中国・山東省, 河南省で動物由来感染症疑い患者のactive surveillanceが実施された。2022年8月に, 患者検体からランヤウイルス(Langya henipavirus: LayV)が発見されたと報告された。調査では, 3カ所のsentinel hospitalにおいて, 38℃以上の発熱および発症前1カ月以内に動物への曝露歴があった人を対象に, 血液・咽頭スワブが採取された。次世代シーケンスにより, 患者1名の咽頭スワブ由来RNAからヘニパウイルスと同じ構造を持つフルゲノム配列が得られ, LayVと命名された。調査の結果, LayVの感染者は35名, このうち26名ではLayV以外の共感染は確認されなかった。26名の大半は農業従事者であり, 主な症状は発熱, 疲労感, 咳, 食欲不振, 筋肉痛, 吐き気, 頭痛, 嘔吐であったが, ヒト-ヒト感染は確認されなかった。周辺の家畜・野生動物を調査した結果, トガリネズミが自然宿主である可能性が高いとされた。(ヘニパウイルス感染症をめぐる近年の状況|国立感染症研究所 – NIID)
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Source: タイランドハイパーリンクス