09.24
「気候危機、止めるのは今しかない」渋谷で若者ら400人がデモ行進
「進み続ける気候危機。それ止めるのは今しかない」「未来を守るのは私たち。必要なのは気候正義」ーー。
若者らが各国政府などに気候危機対策の強化を訴える「世界気候アクション」が23日、世界各地で一斉に行われた。東京・渋谷では、時折小雨が降るなか、高校生や大学生の若者ら約400人が3キロをデモ行進した。
参加した若者はどんな思いを訴えたのだろうか。
「いのちを傷つけているのは私 守れるのも私」
大学3年生の田原美優さん(20)は「気候危機 いのちを傷つけているのは私 守れるのも私」というプラカードを首から下げて行進した。
田原さんの祖父母が暮らす熊本県では、2018年7月の豪雨で県内を流れる球磨川が氾濫し、浸水した老人ホームで逃げ遅れた老人など県内で70人近くが亡くなった。球磨川といえば、幼い頃に遊んだ大好きな場所。「美しい自然が凶器になって、誰かの命が奪われているのが本当に辛かった」。
一方で、この出来事は、自分の行動を見直す機会にもなったという。豪雨や熱波など世界中で起こっている異常気象の一因は気候危機であり、先進国に住み大量のCO2を排出している自分は「加害者」の側で、知らぬうちに誰かの命を奪っているかもしれないと気付いたからだ。
「(誰かを)傷つけているのも私だし、その状況を変えられるのも私。だから、なんとかしなきゃ」
行進でマイクを持ち、一人でも多くの人に目を向けてもらえるよう、沿道に向けて声を張り上げた。
「気候変動がこんなにやばいって知ったら、絶対誰も行動を起こさずにはいられなくなると思う。だからまずは知って、それから調べてみてほしい」
「大人も一緒に動いて」
高校2年生の佐藤はなさん(16)は、2018年に当時15歳だったスウェーデンの環境活動家・グレタ・トゥーンベリさんが世界的なムーブメントを起こすのを目の当たりにして「自分も誰かのアクションのきっかけになりたい」と考えるようになった。
若者だからこそ社会に訴えるパワーがあると思う一方で、選挙権を持たないなど意見を社会に直接反映できないもどかしさも感じる。だからこそ「大人に訴えたい」という思いで、行進に参加したという。
「本当は10代という(貴重な)時間を他のことに充てたかったけれども、これほど(気候危機の)問題が大きくなってしまった以上、いろんな人に知ってもらわなければいけないという思いで参加しています。私たちは未成年でできないことが沢山あるので、大人の方に一緒に動いてほしい」
世界気候アクションとは?
世界気候アクションは年に数回、世界各国で同時に開催されている。その担い手の中心は、グレタさんの抗議活動を機に広がった運動「Fridays For Future(FFF)」に参加する若者らだ。
日本では23日、各地のFFFの呼びかけで、東京のほか、北海道や宮城、愛知などでスタンディングアクションや勉強会などが行われた。デモ行進は、新型コロナ感染拡大前の2019年以降、3年ぶりの実施となった。
ひとりひとりが、サステナブルな地球環境の中で、自分らしく生きていくためにーー。
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Source: HuffPost