2022
08.29
08.29
<ミャンマー>あまりにずさんな国軍の捜査 拘束した久保田さんの入国日が2週間も食い違い なぜ?
◆米人編集者も誤認逮捕のまま懲役11年の判決
このため、誤認逮捕が非常に多い。昨年に米国人編集者のダニー・フェンスターさんが非合法結社法違反などで逮捕・起訴された事件も、勤務先の報道機関を間違えた誤認逮捕とされるが、そのまま懲役11年の有罪判決が下されている。
久保田さんの入管法違反罪については、すでに裁判の手続きが進んでいる。国軍側は入国日の食い違いに気がついて、裁判の途中で修正してくるだろうか? 筆者は判決がでるまで修正しない可能性もあると思う。
なぜなら、修正せずとも有罪は間違いないし、修正することは担当者にとって面倒なことだからだ。こうした司法制度では久保田さんのように不当に逮捕される人はなくならない。早期にクーデター体制が終了し、民主主義的政権に移行することが求められる。
久保田さんの入国管理法違反については日本でも、観光ビザで入国したことの是非を問う意見がある。その点について現地の状況を説明したいと思うので、次回に解説したい。(続く)
北角裕樹(きたずみ・ゆうき)
ジャーナリスト、映像作家。1975年東京都生まれ。日本経済新聞記者や大阪市立中学校校長を経て、2014年にミャンマーに移住して取材を始める。短編コメディ映画『一杯のモヒンガー』監督。クーデター後の2021年4月に軍と警察の混成部隊に拘束され、一か月間収監。5月に帰国した。
あわせて読みたい記事
- <ミャンマー>拘束された久保田さんはどんな扱いを? 経験者が語るインセイン刑務所の実態とは 北角裕樹 (2022-08-08 11:26:59)
- <ミャンマー>懲役3年の判決受けた日本育ちの映像作家ダンさん(3) 恩赦規模は例年の1割以下で釈放されず 世界の関心薄れ軍部は強硬姿勢 北角裕樹 (2022-04-21 17:10:48)
- <ミャンマー>懲役3年の判決受けた日本育ちの映像作家ダンさん(2) 刑務所の大部屋で200人が雑魚寝 「釈放後は人を救う活動したい」 北角裕樹 (2022-04-13 18:53:44)
- <ミャンマー>懲役3年の判決受けた日本育ちの映像作家ダンさん(1) 「民主派支援した」と軍に逮捕、刑務所で再会したが… 北角裕樹 (2022-04-13 13:44:04)
- <ミャンマー>クーデターと住民弾圧 「あたりまえの日常」にしてはならぬ (写真8枚+地図) (2021-10-20 17:21:05)
- <独自 ミャンマー>国軍による不当な拘束の実態(3)事後法で遡及処罰は違憲 (2021-07-21 16:00:32)
- <独自 ミャンマー>国軍による不当な拘束の実態(2)クーデター後に改定された刑法の新条項とは (2021-07-21 10:20:25)
- <独自 ミャンマー>国軍による不当な拘束の実態(1)入手裁判資料を公開する (2021-07-20 11:49:41)
Source: アジアプレス・ネットワーク
1
2