2022
08.20
08.20
【特別コラム】近代という「神話」の終焉(6)「孤立する個人」を生み出す「近代社会」の限界
1789年に起こったフランス革命に対して、ドイツの哲学者ヘーゲルは次のような記述を残している。
「これは輝かしい日の出であった。思惟をもつ限りのすべての者は共にこの新紀元を祝った。崇高な感激がこの時代を支配し、精神の熱狂は、恰も神的なものと世界との実際の宥和がここにはじめて成就されたかのように、世界を震撼させたのであった」(『歴史哲学』下巻、武市健人訳、岩波書店)
劣悪な惰性が支配する時代から、崇高な理念が社会をつくる時代へ。普遍的…
Source: Foresight