07.03
「体の自己決定権は人権」。米著名俳優が中絶規制に抗議 ⇒ 拘束される
ドラマ『ドーソンズ・クリーク』や『クーガータウン』などで知られるアメリカの俳優ビジー・フィリップスさんが、妊娠中絶の権利を求める抗議活動中、当局に拘束された。
フィリップスさんは現地時間の6月30日、ワシントンD.C.のアメリカ連邦最高裁前で行われた中絶の権利を訴えるデモに参加。その際、通行を妨げたとして一時拘束された。
フィリップスさんらデモ参加者たちは、連邦最高裁が、「中絶は憲法で認められた女性の権利」とした1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆す判断を下したことへの抗議を示していた。
「闘うことを止めない」
フィリップスさんは7月1日、自身のインスタに、デモ参加者たちと抗議活動中に撮った複数の写真を投稿した。別の参加者とともに、警察官から腕をつかまれ連行されている写真もある。
投稿では「金曜日(6月24日)、私たちが50年近く手にしてきた、自分自身の体と命を決める権利が、新たな最高裁によって奪われました」と主張。「この最高裁は、多数のアメリカ人が共有しない私的な信念を持っている。私はその大多数のアメリカ人の一人です」と強調した。
「すべてのアメリカ人に平等がもたらされるまで、私たちは屈せず、闘うことを止めない」
著名俳優である自分にできることとして、「私の特権と声を生かすには、体の自己決定権は人権であるというメッセージを広める以上の方法はありません。それは生命や自由、幸福の追求を約束するのと全く同じことだから」とつづった。
「私たちは、体の自己決定権が全ての人に適用されることを保証しなければなりません。これは一生に一度の闘いです。短くもなく、簡単でもなく、挫折のない闘いでもないでしょう。でも私たちは必ず前に出て、行動し続けなければいけないのです」
15歳で中絶を経験「理由は重要ではない」
フィリップスさんは2019年、アメリカ下院の司法委員会に出席。15歳の時に妊娠中絶をした自身の選択と、中絶の権利への考えを明かしていた。
「ここで政治家たちの前に座り、極めて個人的な発言をしなければならないことはとても悲しいです」と語った。
続けて、「なぜなら(中絶の)“理由”は重要ではないからです。それは問題ではないはずです」と主張。「人が自分の体に関してする選択は、個人の状況や信念を知ることも理解することもできないであろう他人によって法的に規制されるべきではありません」と述べていた。
ロー対ウェイド判決を覆すアメリカ連邦最高裁の今回の判断に対し、国内外の著名人やリーダーたちから反対や非難の声が相次いでいる。
タレントのSHELLYさんはSNSで、連邦最高裁の判断に言及し「耳を疑う結論」「安全な中絶にたどり着けなくするもの」などと異議を唱えた。「安全で安心、なおかつ安価で手の届く中絶は子宮のある人にとって人権であり、守られないといけないものです」と訴えた。
カナダのトルドー首相やフランスのマクロン大統領なども、中絶の権利を求める人たちを支持する姿勢を示している。
Source: HuffPost