04.08
「奨学ナプキン」を大王製紙がスタート。1年間無償で生理用ナプキン提供。その背景にある「生理の貧困」とは?
生理用品「エリス」を展開する大王製紙が4月7日、多様性のある社会で一人一人の生理に寄り添うプロジェクト「meet my elis」を始めた。
さまざまな理由から生理用品の入手に困っている学生1000人に、生理用ナプキンを1年間無償で提供する。
■プロジェクトの内容は?
大王製紙は4月、エリスのブランドメッセージを「だれかではなく、あなたのそばに。」に刷新。多様性のある社会で一人一人の生理に寄り添うために「meet my elis」プロジェクトを発足した。
プロジェクトでは、生理用品の入手に困っている学生を対象に、生理用ナプキンを無償で提供する「奨学ナプキン」を行う。
対象は小中高などの学生1000人。奨学生のナプキン返済や費用負担はないが、ナプキンを使った感想や生理の悩みについてアンケートで答えてもらう。
応募期間は4月7日から5月20日まで。特設サイト内のフォームから応募すればよい。応募フォームに回答したアンケートの内容をもとに1000人を決める。
商品の提供頻度は4カ月に一度。6月下旬に初回の商品を発送し、10月に2回目、2023年2月に3回目を郵送する。
■生理の貧困とは?
近年、経済的な理由で生理用品を買うことができない「生理の貧困」が社会的に問題になっている。
厚生労働省は2月3~6日に全国の18 〜49歳の女性3000人を対象に調査を実施。新型コロナウイルスの発生以降、生理用品の購入や入手に苦労したことが「よくある」「ときどきある」と回答した割合が8.1%(244 人)に上った。年代別では、18・19歳、20代以下の割合が他よりも高かった。
生理用品の購入や入手に苦労した理由は「自分の収入が少ないから」が37.7%で最も多く、「自分のために使えるお金が少ないから」(28.7%)、「その他のことにお金を使わなければならないから」(24.2%)が続いた。
海外では政府が生理用品を無料で配布したり、軽減税率を導入したりする取り組みが広がっている。20年11月にはスコットランドで世界で初めて生理用品を無料提供することを定めた法律が制定された。
国内でも「生理の貧困」への取り組みが広がりつつある。内閣府男女共同参画局によると、21年7月20日時点で581の地方自治体が「生理の貧困」に関する取り組みを実施している。
Source: HuffPost