2025
12.02

オルカン、S&P500が人気の新NISAは30代以下が3割。「将来性のある企業を見極める4つのポイント」も紹介。

国際ニュースまとめ

資産運用に取り組む若者が増えている。高まる若者の「投資熱」を踏まえ、学生のうちから学んでもらおうと、日本証券業協会、(株)日本取引所グループ、(一社)投資信託協会の3者は10月4日、大学生100人を対象にしたイベントを開催。ゲームを通じて、証券投資をより身近に感じる一歩となった。

自分の資産を増やしながら、社会全体の成長も促す証券投資

若年層の間で、証券投資や資産運用への関心が急速に高まっている。そのきっかけは2024年度からの新NISA(少額投資非課税制度)の導入だ。投資で得たお金が年間360万円まで非課税になるとあって、「オルカン」や「S&P500」として知られるインデックス投資などが特に人気となっている。

20代の⾦融資産の保有経験は2016年の13%から2024年には36%へと大幅に増加。また、年代別NISA口座数分布における18歳~20代の割合は2014年の3.8%から2024年には12%に。30代の割合も8.8%から17.5%へと大きく伸びていることが調査からわかっている。

旧制度のNISA開始の2014年には「60代以上」が過半数だったが、今では40代以下が半数を占めるなど、その風景は様変わりしたのだ。(日本証券業協会・新NISA白書2024)

一方で、証券投資に関する教育を受けたことがある割合は低く、「資産運用を始めてみたいけれど、何からすればいいのかわからない」という課題も。(日本証券業協会・新NISA開始1年後の利用動向に関する調査)そこで、そのハードルを下げようとイベントが企画された。

イベントに登壇したファイナンシャルプランナーの村松祐子さんは、「証券投資は会社や社会の成長を期待し、参加しながら、自分のお金を効率よく増やしていける」「お金を増やすことだけではなく、社会全体を大きくしたり、経済を下支えしたりすることにもつながる」と参加した大学生たちに話した。

「証券投資の日」にちなんで、10月4日にイベントが開催された「証券投資の日」にちなんで、10月4日にイベントが開催された

基本は「長期」「積立」「分散」。 “推し株”を持つと関心も深まる

「預金と違って証券投資はプラスになることもマイナスになることもあるため、リスクをコントロールすることが重要。早く結果を求めない「長期」、定期的に決まった額を「積立」、種類、投資先、国などを分ける「分散」から始め、まずは投資に慣れてほしい」と村松さん。

「種類が多すぎて、何を選べばよいか分からない」との問いには、少額から始められる「投資信託」を選ぶのも一つの手だと紹介した。

「みんなでお金を出し合って、株式や債券など様々な商品がセットになったものを共同購入するイメージ」と、クッキーやキャンディの詰め合わせにたとえて紹介。さらに「入っている商品に株式が多いのか、債券が多いのかなど、事前に投資報告書を読むなどして、どんな商品が入っているのか下調べが必要です」と促した。

一方、同様に商品の種類が多い株式については、お気に入りの商品や事業を提供している企業など身近なところから始めると、その後、深堀りしやすいと説明。

村松さん自身も「“推し株”として気に入った商品やサービスを展開している企業はもちろん、創業者や社長の理念に共感する企業の株式を多く保有しています」と楽しみながら長年株式へ投資していると語る。

株式を保有することで、さらにその企業のことを知りたくなることも魅力であること、未成年でも親の同意があれば証券口座を開設できることにも触れ、「最初のうちはどの商品がいいか吟味しすぎなくてもOK。分散で投資して、徐々に慣れてほしい」と、投資を自分のものにしていくコツを伝えた。

将来性のある企業の見極め方は?

第2部は、証券投資を疑似体験できる参加型謎解きプログラム「ミライトウシクエスト」に、ゆうちゃみさんと大学生が参加。RPGを彷彿とさせる各ブースでクイズに答え、正解すると渡されるカードには証券投資に欠かせない「配当」「利益」「PER」「PBR」「株価」「安全性」「効率性」のワードが書かれている。

謎解きイベント形式で学ぶ謎解きイベント形式で学ぶ

これら7枚のカードと、業績、財務、指標、株価指標などを一覧にした投資先企業6社のデータをもとに、投資すべき3社を選定していくというルールだ。

第1部で、村松さんが「一つ一つの銘柄をそこまで吟味しなくても大丈夫」「身近な企業への投資から始めるが分かりやすい」と語ったのとは一転、具体的なデータでの実践が始まると、会場内は少し緊張した雰囲気に包まれ、真剣な表情でゲームに取り組んでいた。

結果の発表後、村松さんが改めて将来性のある企業を見極めるポイントを4点にまとめて解説した。

村松さんによる企業見極め4つのポイント

① 利益の成長性

売上と利益が過去から順調に伸びていると株価の上昇や配当など投資リターンが見込める。

② 財務の安全性

「利益が出ている」イコール「財務状況が安全」とは言い切れないため、自己資本比率をチェック。自己資本比率が高いと、景気の変動や金利が上昇した際にも耐えやすく、長期的な成長も見込める。
自己資本比率は業種によって水準が異なるが、一般的には40%以上あれば比較的安全と考えられる。

③ 株主還元と市場からの評価

PER(Price Earnings Ratio=株価収益率)、PBR(Price Book-value Ratio=株価純資産倍率)、配当と株価から総合的に、株価が割安か割高か判断できる。
PERが高いと、企業その将来性に注目が集まっていると考えられるが、株価が割高なだけという可能性もある。PBRも数値が高いと投資家から成長性を評価されていることになるが、PER同様、株価が割高という可能性もあるため、業種間や、同じ企業の過去の平均など複数の指標との比較が重要。

④ 企業の効率性

ROE(Return On Equity=自己資本利率益)が2桁(10%以上)であれば成長性が高いと見られる。
株主からの出資だけでなく設備、在庫などすべて資産に対してどれくらいの利益を出しているか経営の効率性を図る上ではROA(Return On Assets=総資産利益率)も参照すると良い。

登壇したタレントのゆうちゃみさん(左)とファイナンシャルプランナーの村松祐子さん登壇したタレントのゆうちゃみさん(左)とファイナンシャルプランナーの村松祐子さん

その企業が今後世の中をどのように変えてくれるのか

優良企業を見極める上では、単一の視点から判断しなくてはいけないルールがあるわけではなく、堅実に配当を還元している企業、将来性が期待されている企業、効率よく資本を活用している企業など、企業ごとに異なるスケール感や特色から絞り込んでいくこともできると村松さんは語る。

「たとえばAIや脱炭素といった、いま注目されている分野もありますよね。事業内容や、その企業が今後世の中をどのように変えてくれるのか想像してみると将来性もつかみやすくなります」

投資信託協会 松下浩一会長は「今は、日経平均株価のボードが街中で確認できる、株式投資が身近な時代。長期、積立、分散、そして少額からの投資を大学生のうちから始められるのはとても幸運なことなので、ここからキャッチアップしておくと、余裕をもった資産形成が可能です」と参加者へのメッセージを送った。

この日、参加していた大学生たちからも「来年、社会人になるのでこれから資産運用にチャレンジしたい」「証券投資は難しそうに思っていたが、数字の見方が分かると一気に面白く感じた」など積極的な意見が集まった。この日のゲストとして登壇していたゆうちゃみさんも「皆さんと一緒にこれからも学んでいきたいです」と前向きな姿勢を示した。

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Source: HuffPost