11.08
「痩せ信仰」がSNSに溢れる現代、大人ができることは?吉田恵里香さん、犬山紙子さんと考える
ボディポジティブムーブメントの中で、「ありのままの見た目でいい」という考えが、広まってきた。
しかし今、その声を掻き消すように、痩せていればいるほど魅力的だとする投稿がSNSにあふれ、糖尿病の治療薬をダイエット目的で使用する人たちもいる。
作品を通してさまざまな社会問題を取り上げてきた脚本家の吉田恵里香さんは、「今は『ありのままがいい』の次のフェーズで、何ができるかが問われている」とハフポスト日本版の動画鼎談で語る。
2024年の著書『女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから』で、女性の「痛み」を次の世代に引き継がないために何ができるのかを探ったイラストエッセイストの犬山紙子さんも「痩せたいなんて思っちゃだめ」という否定は、子どもには届かないと鼎談で話した。
時には摂食障害などの苦しみも引き起こす「ルッキズム」とどう向き合えばいいのだろうか。吉田さん、犬山さんと考えた。
10代には嘘に聞こえる「ありのままでいい」
『女の子に生まれたことを後悔してほしくないから』は、女の子を育てる犬山さんが、摂食障害や性教育など様々なテーマについて当事者や専門家に話を聞きにいき、子どもを守るために何ができるのかを考えた本だ。
この本を『2024年のおすすめ』に挙げた吉田さんは「ただ解決策を提案するのではなく、すごく寄り添い感がある」と高く評価する。
犬山さんが引き継ぎたくない痛みの一つとして取り上げたものの一つが「ルッキズム」だ。
犬山さん自身も、思春期には周りから「キモいと思われている」と信じ込んで電車では本で顔を隠していたり、痩せるために健康を度外視したダイエットをして生理が止まったりしたことがあるという。
犬山紙子さん『前橋ウィッチーズ』で吉田さんが伝えたかったこと
吉田さんは「ありのままでいいというフェーズは今も大事」としつつ、その次を考える段階にきているのではないかと話す。
「悩んでる子たちが今抱えている問題には解決策がほぼ基本ない」――吉田さんがこのメッセージが込めたのが、脚本を担当したアニメ『前橋ウィッチーズ』だ。
群馬県・前橋市を舞台に、魔女になりたい5人の女子高校生の悩みや、成長する姿が描かれている。
ルッキズムも序盤の重要なテーマとして取り上げられるが、ルッキズムを含めて、5人の悩みが必ずしも解決されるわけではない。
吉田さんはこの作品のテーマは「現状維持で何が悪い(現状維持というものはそれにいるためにも努力が必要で、現状維持というものは本来あり得なくて、そこから抜けるか、維持するための努力が必要だからそれは各自が選んだらいいよね)」だと話す。
「そういう意味で、解決はあくまでもその登場人物の正解でしかないから、あまり意味がないかなというのはありました」
吉田恵里香さんそれでも、悩みが解決しなくても、「どんな私がいいかを決められるのは、世界中で私だけ」という結論を導き出すことはできる。
吉田さんは「自分で決めるしかないっていうのが『前橋ウィッチーズ』の大きいテーマ」とも話す。
そのために、吉田さんは「考えられる土壌を社会が作れたらいいね」というメッセージを、作品を通して伝えようとしているという。
ルッキズムや悩みとの向き合い方、自分を好きか嫌いかは10代だけではなく、大人にも共通するテーマだ。10代女性の自殺が増加する中、大人や社会は何ができるのだろうか。
映像や書籍を通してこのテーマを追い続けてきた吉田恵里香さん、犬山紙子さんと「ルッキズム」を語り合ったハフポスト日本版の動画鼎談はこちらから。
Source: HuffPost




