11.08
女性の立候補を資金面で支える「基金」立ち上げ。ジェンダー平等な社会に向け、次世代に「バトンを繋ぐ」クラファンも開始
「日本には、ジェンダー政策に取り組む女性議員がもっと必要」ーー。
政治のジェンダーギャップ解消を目指す「FIFTYS PROJECT」が、女性の立候補を金銭面で支援する新しい取り組みとして「わたしたちのバトン基金」を設立した。11月6日から基金への寄付を募りはじめた。
FIFTYS PROJECTではこれまでも、20・30代の女性(シス・トランスジェンダー)・Xジェンダー・ノンバイナリーの選挙立候補を支援してきた中で、供託金の支払いなど金銭面での不安が立候補の「壁」となっていると感じ、基金を立ち上げた。
2027年の統一地方選挙に向けた取り組みで、候補者100人への支援を目指す。
「立候補する人をひとりにしない」。女性の立候補を金銭面でサポート
「わたしたちのバトン基金」について説明する能條桃子さん(右)FIFTYS PROJECTは、ジェンダー政策に取り組む女性議員を増やそうと2022年夏から活動を開始。今では支援した25人の女性が議員となって各地で活動している。
一方で、立候補を目指す女性を支援するイベントなどを開く中では、出馬を考える女性たちから、供託金など資金面で悩みを抱える声を聞いてきた。
「わたしたちのバトン基金」の代表を務めるFIFTYS PROJECTの能條桃子さんは11月6日に都内で開いた会見で、「立候補したいと考えてもお金が理由で実現できないという女性もいる。立候補したいという人が挑戦できる環境をつくりたい」と、基金立ち上げの背景を説明した。
「足元の暮らしがいっぱいいっぱいな上に、立候補にあたり退職すると、落選したら仕事も探さなければいけない。チャレンジしようとする決意を固める前に金銭的な面で諦めてしまう女性たちがたくさんいました。『子どもの教育資金のための貯金を切り崩してまで立候補していいのか』という悩みを打ち明けられたこともありました」
無所属での立候補には活動資金も必要だ。「立候補する人をひとりにしない」との思いで、2027年の統一地方選挙では、各候補者に市区議会選挙の供託金と同額である30万円を支援する。
全国に約3万人いる地方議会議員のうち、女性議員はわずか17.4%(総務省調べ、2023年末時点)。この数字を底上げしていくことを目指す。
会見で話す鈴木なりささん(中央)基金で会計責任者を務めるのは、FIFTYS PROJECTの支援を受けて2年前、26歳の時に無所属で市議に立候補した経験がある、鈴木なりささんだ。
鈴木さんは「ジェンダー平等を実現したくて立候補しましたが、完全無所属での出馬となると、すごくお金には困りました」と振り返り、金銭面での支援の重要性を強調した。
FIFTYS PROJECTが2023年にサポートした立候補者への調査では、70%が資金不足に課題を感じ、50%が生計の維持が難しいと回答していた。
次世代に、次に立候補する女性たちに「バトンを繋いでいく」
目標金額1000万円のクラウドファンディングを実施する。基金の立ち上げに際し、立候補者100人への支援金と3年間の広報・運営費の合計4650万円を寄付で募っていく。
1000万円を目標金額としたクラウドファンディングのほか、基金のウェブサイトから寄付ができる。
能條さんは「わたしたちのバトン基金」と名付けた背景として、「次世代に、ジェンダー平等な社会に向けたバトンを渡していきたいという思いがある」と話す。
「今年はちょうど、女性参政権の獲得から80年です。まだまだ女性議員の割合は低いですが、男女平等のために闘ってきてくれた先人たちがいたからこそ、80年前に比べたら前進している。私たちがバトンを受け取って、次の世代に繋いでいきたいという気持ちでつけました」
また、供託金は一定の得票で返還されるため、立候補者には寄付を呼びかけ、また次の選挙での立候補者の供託金として「バトン」のように繋ぎ、資金が循環していく仕組みをつくる構想もあるという。
30万円を支援する候補者は、FIFTYS PROJECTと同じく、選択的夫婦別姓や婚姻の平等の実現、包括的性教育の普及、緊急避妊薬アクセス改善などに賛成・推進する立候補者など、ジェンダー政策に取り組みたい人を対象としている。
また、候補者に資金を寄付するということで、任意団体である同基金は、政治団体として東京都の選挙管理委員会に団体登録。「政治資金規正法の中で取り組んでいく」とした。
(取材・文=冨田すみれ子)
Source: HuffPost




