2025
11.07

タイ政府「オンライン詐欺撲滅」へ MOU締結 “妥協なし、勝つまで続ける”と強調

国際ニュースまとめ

タイ政府は、急増するオンライン詐欺に対し「戦いではなく、根絶を目指す」と宣言し、国家規模の取り組みを本格化させます。政府は15の主要機関と覚書(MOU)を締結し、オンライン詐欺対策の連携強化を図る方針を明らかにしました。2025年11月7日にタイ政府メディアNBT Connextが伝えています。

調印式は首相府サンティマイトリー館で行われ、アヌティン・チャーンウィーラクン首相兼内務相が議長を務めました。参加したのは、資金洗浄対策委員会(AMLO)、王立タイ警察、内務系・経済系省庁、タイ銀行、タイ銀行協会、公的金融機関など国家の中枢機関。今回のMOU締結は、単なる文書協力ではなく「スキャマーとの戦争」を正式に宣言したものとしています。

アヌティン首相は、オンライン詐欺は国民生活を脅かし、国家の信用を損ねていると指摘。「この問題は妥協も見逃しもない。政府は必ず勝たなければならない」と強調し、予算・技術・人員を含め全面的な支援を約束しました。また、国民の不利益を黙認する機関や担当者は容赦しないとしています。

■MOUに基づく重点対策(5項目)
厳格な法執行と関係者の摘発
各機関の情報共有と一体的な捜査
資産凍結などによる資金ルート遮断
AIなど先端技術を用いた未然防止
国民への注意喚起と通報体制強化

デジタル経済社会省は、王立タイ警察や民間銀行と共同で「ワールーム」をすでに稼働。SIMカードの個人所有を最大5番号に制限し、スキャマーが悪用する「SIMボックス」も重点排除します。また、いわゆる「口座レンタル(ミュール口座)」対策として、生活用口座は1人1口座まで。違反者や再犯者は生涯口座開設を禁止する方針です。

タイ警察は、詐欺グループの多くが海外拠点を持つとして、インターポールや周辺国との連携を強化。通信ルート遮断、出入国審査の強化、国内拠点の摘発を進めると説明しました。

内務省は、全国の村落・自治体ネットワークを活用し、住民への注意喚起と被害者支援に積極的に協力。また、帰化後に詐欺行為に加担した者については国籍剥奪の検討も行うとしています。

政府は今回の対策を「チームタイランド」と表現し、目的は“取り締まり”ではなく“国民と経済の信頼の回復”と位置付けています。結びとして、アヌティン首相は次のように述べました。

「我々は決して止まらない。勝利するまで戦い続ける」

オンライン詐欺の被害拡大が続く中、全国規模の対策がどこまで実効性を発揮するかが注目されます。

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Source: タイランドハイパーリンクス