2025
10.29

認知症のリスクを高める14の「危険因子」とは?専門医が勧める予防方法

国際ニュースまとめ

認知症研究は、ここ数年で大きな進展を見せている。

アルツハイマー病を90%の精度で診断できる血液検査が登場し、認知症発症リスクを高める危険因子(その多くは生活習慣に関係している)についても、より多くのことがわかってきている。

ランセット委員会研究者は2024年、医学誌『ランセット』で、新たに2つの認知症の発症リスクを高める「修正可能な危険因子」を発表した。

それは「40歳以降の高LDL(悪玉)コレステロール」と「未処置の視力低下」だ。

同じ研究チームは2020年に、認知症の発症リスクを高める、修正可能な12の危険因子を発表している。

【認知症発症リスクを高める危険因子(2020年発表)】

  • 運動不足

  • 喫煙

  • 過度の飲酒

  • 大気汚染

  • 頭部外傷

  • 社会的な孤立

  • 教育不足

  • 肥満

  • 高血圧

  • 糖尿病

  • うつ病

  • 難聴

ランセット委員会研究者らは報告書で、この12項目に新たな2つを合わせた14の危険因子が、世界全体の認知症症例の49%を占めるとしている。

視力低下

研究者らは、視力低下に関する14本の論文と高コレステロールに関する27本の論文を分析して、新たに2つの危険因子を特定した。

報告書に関与していないイェール大学医学部の行動神経学者・神経精神科医アルマン・フェシャラキ=ザデ博士は、これら14の危険因子について「その多くが相互に密接に関連している」と話す。

「もちろん、視力低下にはさまざまな原因があります。しかし、高血圧や治療していない糖尿病、高コレステロールなど、代謝性危険因子を持つ人々の間で起きやすい傾向があります」

視覚は主要な感覚器官で、周囲の世界を認識する手段でもある。

フェシャラキ=ザデ博士は、「視力が低下すると、パズルや読書、他の人と過ごすといった脳を活性化させる活動に費やす時間が少なくなりがちだ」とも指摘する。こういった活動は、認知症予防に役立つ行動としても知られる。

高コレステロール

博士によると、高悪玉コレステロールは、動脈硬化の原因となる可能性がある。他にも、高血圧や治療していない糖尿病も血管に悪影響を及ぼす。 

血管が硬化すると脳への酸素の供給が難しくなる。そうなると、時間の経過とともに神経細胞が損傷する可能性がある。フェシャラキ=ザデ博士は「認知症とは、基本的に神経細胞が死滅していく最終的な結果です。神経変性のプロセスなのです」と説明する。

「診察では、特に60歳以上の人々で、脳の特定の部分がよりダメージを受けやすいということが確認されています……これらの領域は特に血管が硬化しやすい部分です。高コレステロールの人は、この動脈硬化との関連性が非常に高いことが、私たちの診察でもわかっています」

「患者には、『心臓に影響を与えるものは、脳にも影響を与える』と伝えています。それは診察で何度も確認されています」

リスクは下げられる。重要なのは信頼できる主治医を持つこと

認知症予防には、これらの危険因子のコントロールが重要な鍵となる。

そのためにフェシャラキ=ザデ博士が重要だと話すのが「かかりつけ医と専門医との協力体制」だ。「重要性をいくら強調してもしすぎることはありません」と博士は話す。

主治医が患者の健康状態をよく把握して、専門医(心臓専門医や神経科医など)と必要な情報を共有することで、健康に悪影響を及ぼす問題を管理しやすくなる。

他にも、薬や食事療法、運動療法など、さまざまな方法を通じて高コレステロールや高血圧などの危険因子をコントロールするための積極的なサポートも求められる。

フェシャラキ=ザデ博士によると、生活習慣の改善はできるだけ早く、少なくとも中年のうちに取り組むべきだ。「早い段階で、かかりつけ医と話し合うことで、認知症の発症を防ぐ効果が期待できます」と話す。

また、現在では神経変性の初期兆候や、認知症を早期に診断するための遺伝的検査やバイオマーカーなどもあるため、主治医はそれらの選択肢を説明し、選ぶための支援も期待される。

遅すぎるということはない

フェシャラキ=ザデ博士は「認知症は、最大40%が予防できるとされています」と話す。

一方で、認知症には遺伝的な要因もあるため、予防が難しい場合もあることは留意すべき点だ。

しかし、すでに認知症や軽度認知障害と診断された人であっても、危険因子を管理することで改善が期待できる。

フェシャラキ=ザデ博士は「研究によると、高血圧や高コレステロール、糖尿病といった代謝性疾患を併発している人と、そうでない人の2つのグループを比較した場合、認知症と診断された人であっても、代謝性危険因子がない人のほうが進行速度が遅い傾向にありました」と説明する。

博士によると、変化や改善を始めるのに遅すぎることはなく、それは若くて健康な人でも、80代や90代の人でも、すでに認知症と診断されている人でも変わらない。

私たちの脳は、可塑性(かそせい)が高い。それはつまり、健康状態や年齢に関係なく、健康的な生活習慣に切り替えることで脳が変化に反応し、より健康な状態に近づけるということだ。

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。

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Source: HuffPost