2025
10.25

『ぼくたちん家』公式サイト「Q&Aコーナー」に反響。アウティングや結婚の平等、LGBTQが直面する社会課題を解説

国際ニュースまとめ

2人のゲイと中学生の関係を描くテレビドラマ『ぼくたちん家』(日本テレビ系)公式サイトのQ&Aコーナーが話題になっている。

同性同士の恋愛関係を描く作品は、当事者が直面する社会課題にあまり触れられず、「消費的だ」と指摘されることが少なくなかった。

その中で同作は、結婚の平等(いわゆる同性婚)や、性的マイノリティであることを本人の同意なく第三者に伝える「アウティング」などをストーリーで描き、さらに公式サイトで毎話、LGBTQに関する基礎知識について、社会課題とともに解説している。

この取り組みに、「理解を深められてとても良い。 ドラマを観る前と後でよりきもちに寄り添える」「すごく丁寧だ、素敵だ」といった声が寄せられている。

*記事では一部、作品のネタバレが含まれます。

◆『ぼくたちん家』とは

『ぼくたちん家』は、ゲイの動物飼育員・波多野玄一(及川光博さん)と中学教師・作田索(手越祐也さん)、中学生の楠ほたる(白鳥玉季さん)の3人の関係を描いたホーム&ラブコメディドラマだ。

恋愛や生き方で悩んだり、日々の生活で楽しいことや痛みを分かち合ったりといった等身大の姿、そしてゲイであることで直面する差別や偏見、法整備の不備といった社会課題などが描かれている。

特筆すべきは、そうした実情について、公式サイトで解説していること。ゲイ当事者で、インクルーシブプロデューサーを務める白川大介さんは「物語に出てきた玄一や索やいろんな人をめぐるいろんなことを、当事者の視点をまじえて紹介していきます」とつづっている。

◆アウティング、結婚の平等、「ゲイ=◯◯」というステレオタイプ

第1話では、玄一が話していた人について、「あの人のゲイなの?」と聞かれ、「人のことは言えない」と答えるシーンがあった。

これは、性的マイノリティであることを本人の同意なく第三者に伝える「アウティング」をテーマにしたシーンで、公式サイトでは「絶対にやってはいけないこと」と明記している。

また、アウティングされた後にその人が命を落としてしまった例や、職場でアウティングされた人が精神疾患になり、労災認定された例などを紹介。

「誰かから性的マイノリティであることを打ち明けられたり、そのことを偶然知ってしまったら、そのことをどの範囲の人に共有してもいいか、必ず本人の意思を確認しましょう」とつづっている。

また索が同性パートナーと書いた婚姻届、索と交際していた吉田が冗談めかして「婚姻届出せるようになるまで一緒にいよ」と言うシーンも描かれた。

公式サイトでは、G7(主要国首脳会議)の中で、同性婚のような国単位での同性カップルの法的保証がないのは日本だけであること、婚姻届を実際に役所に提出した当事者のこともつづられている。

第2話では玄一が昔、夢見ていたミュージシャンとしてのメジャーデビューの条件として、“ピチピチのタンクトップを着て、普段使わないオネエ言葉で歌うこと”が提示されたという過去が明かされ、ほたるが怒るシーンが描かれた。

公式サイトでは、「“ゲイ=ピチピチのタンクトップ”のような、ある集団に対する単純化されたイメージや思い込みを『ステレオタイプ』といいます」と解説。

ゲイの人々は、タンクトップだけでなく、オネエ言葉や、エイズなどの病、その他多くの「ステレオタイプ」と長く結びつけられてきた、とした上で、「このドラマでは、ゲイの人々が社会の中でぶつかる課題はできるだけリアルに描きつつも、ステレオタイプの再生産にできるだけつながらないように、一生懸命考えて制作しています」としている。

こうしたストーリーや取り組みに、SNSでは「ドラマだとしてもアウティングとかちゃんとしないの感心した」「ゲイの物語でまず同性婚できない問題をまずぶちこむのは誠実だなーって思う」「名作の予感。『ゲイあるある』満載」といった声が寄せられている。

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Source: HuffPost