2025
10.24

中継中の女性スポーツ記者に男性たちがハラスメントする動画に批判殺到。その怒りが大きな議論を巻き起こしているワケ

国際ニュースまとめ

中継中の女性スポーツ記者に、男性グループが嫌がらせをする映像がネットで拡散され、大きな怒りを呼んでいる。専門家は、この出来事が批判だけでなく、重要な議論を巻き起こしているという。

話題となったのは、オレゴン州のABC系列局KEZI9 Newsのスポーツディレクターが10月19日にXに投稿した動画だ。

映像には、KEZIのスポーツ記者オリビア・クレアリーさんが、オレゴン州立大学とラファイエット大学のアメフト試合を取材中、若い男性たちがクレアリーさんの背後で繰り返し大声を上げている様子が映っていた。

クレアリーさんは、男性たちが背後で騒ぎ、時にはカメラの視界を遮る中でも、冷静さを保ち中継を続けた。多くのネットユーザーが、彼女が動揺せず中継をやり遂げたことを称賛した一方、クレアリーさんが安全な環境にいたのかどうかを懸念する声も上がった。

ハフポストUS版はKEZI9 Newsの広報担当者に連絡しコメントを求めたが、すぐに返答は得られなかった。

オレゴン州立大学は公式Xアカウントで、19日に声明を発表した。

「SNS上で拡散されている、生中継中のファンの迷惑行為については把握しています。このような行動はオレゴン州立大学や我々のファン行動規範の価値観を反映するものではありません。現在、詳細を確認中であり、記者の方がこのような経験をされたことにお詫び申し上げます。同時に、彼女のプロ意識と冷静な対応を称賛します」

クレアリーさん自身もこの動画が拡散された後、Xにコメントを投稿し、多くのサポートに感謝していると述べ、当時の状況を説明した。

「生中継の冒頭では、ファンの方々は親切で、取材に楽しい雰囲気を加えてくれました。しかし時間が経つにつれ、何人かのファンがその場に残り、少し行き過ぎてしまったのは、皆さんが動画で見た通りです。オレゴン州立大学のほとんどの皆さんはとても温かく迎えてくれています。生中継は予測不可能なものなので、時には流れに身を任せるしかありません!」

クレアリーさんが冷静さを保ったことはSNSで広く称賛されたが、自尊心や職場問題、不安障害を専門とするセラピストであり、公認メンタルヘルスカウンセラーでもあるヘイリー・クリッツァス氏は、クレアリーさんのように対応することは「見た目以上にずっと難しい」と強調する。

「仕事中に公の場で嫌がらせを受けることは、非常に不安を掻き立てる体験になり得ます。恐怖や無力感を引き起こすこともあり、それが他人に見られている状況なら、なおさらです」

「人前で侮辱を受けながら落ち着いて集中し続けることがどれほどストレスになるか、多くの人は理解していません」

クリッツァス氏は、この動画を初めて見た時、記者の安全と心身の状態をすぐに心配したという。

「最も目立ったのは、若い男性たちのあからさまな無礼さと配慮の欠如でした」

さらにクリッツァス氏は、この動画が多くの人々の共感を呼んだ理由について、視聴者が「そこに存在する権力の不均衡やジェンダーの力関係」を直感的に感じ取ったからだと分析している。

男性が支配的なスポーツの現場で、ただ仕事をこなしていた女性が公然と軽視され、嫌がらせを受けた。それは、女性が職場や公共の場でどのように扱われているかという、より広い問題への苛立ちを呼び起こしたのです」

そして一般論として、職場で不快な状況に置かれた場合は、自身の安全や身体的・精神的スペースを最優先すべきだと助言する。

「明確な境界線を設定し、冷静にその場を離れ、その後、同僚や上司にサポートを求めることが重要です」

また、組織としても従業員を嫌がらせから守るためのポリシーを整備すべきだという。

最後に、嫌な出来事に対して感じた感情をきちんと処理することの大切さも強調した。信頼できる友人やメンター、セラピストなど、「残るストレスや不安を軽減してくれる人」に話をすることを勧めている。

【動画】「無礼さと配慮の欠如」中継中の女性記者に男性グループが嫌がらせをする様子

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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Source: HuffPost