2025
10.23

「パレスチナ映画祭」が11月2日に開催。4作品を無料で上映。日本の会場は?

国際ニュースまとめ

パレスチナ映画祭2025で上映される4作品、『Upshot』『ジェニン、ジェニン』『ぼくの見えた道』『太陽の男たち』パレスチナ映画祭2025で上映される4作品、『Upshot』『ジェニン、ジェニン』『ぼくの見えた道』『太陽の男たち』

日本を含む世界各地で11月2日、パレスチナの人々に連帯を示す「パレスチナ映画祭」が開かれる。

同映画祭の日本の開催窓口を務める「AFZ(アパルトヘイト・フリー・ゾーン)Japan」のウェブサイトには、上映される4作品と60以上の会場が紹介されている。作品はいずれも無料で観ることができる。

上映作品
▼『The Dupes(太陽の男たち)』
▼『When I Saw You(ぼくの見えた道)』
▼『Jenin Jenin(ジェニン、ジェニン)』
▼『Upshot』

▪️上映会場⇨https://afzjapan.com/cinemadays2025

パレスチナ映画祭とは

この映画祭は、パレスチナのNPO団体「フィルム・ラボ・パレスチナ」が2014年に始めたイベントだ。

2022年まではガザを含むパレスチナ各地で開催されていたが、2023年10月に始まったハマスとイスラエルの武力衝突による現地の状況悪化を受けて中止に。

代わりに同年11月から「パレスチナ映画祭 Around The World」として世界各国での同時上映を呼びかけており、2025年で3年目となる。

映画祭はパレスチナ問題の原因となった「バルフォア宣言」が出された11月2日に開催される。

バルフォア宣言とは、イギリス外相バルフォアが第一次世界大戦中の1917年に、パレスチナの地にユダヤ民族の国家を建設するシオニズム運動を支持するとユダヤ系富豪ロスチャイルド家に書簡で約束した宣言のことだ。

しかしイギリスはその2年前の1915年に、「フサイン=マクマホン協定」でアラブ人に対しても戦争協力と引き換えにパレスチナでの独立国家の樹立を約束していた。

さらにイギリスは1916年にフランス、ロシアと締結した秘密条約「サイクス=ピコ協定」では、第一次世界大戦後にパレスチナを国際管理地とする構想を描いていた。

パレスチナの地を巡るこのイギリスの「三枚舌」外交が、現在に続くパレスチナの領土を巡る争いの原因になっている。

フィルム・ラボ・パレスチナは映画祭について「パレスチナとの連帯を示す行動であり、検閲されたパレスチナの声を広める試みであり、歪められた物語を正すための貢献だ」と伝えている。

今回、日本の開催窓口になったAFZJapanが取り組んでいるのは、イスラエルによるパレスチナ占領やアパルトヘイト(人種隔離)政策に加担しない「スペース(店舗や自治体、団体など)」を広げるためのキャンペーンだ。

広報や作品の日本語字幕作成を担っており、同団体を通じて上映を申し込んだ60以上のスペースが特設サイトで紹介されている。パレスチナ映画祭が日本でこれほどの規模で開催されるのは初めてだという。

上映される4作品は、故郷を追われたパレスチナ人の苦しみを伝える作品だ。

『太陽の男たち(1972年/107分)』は、パレスチナを代表する作家ガッサーン・カナファーニーの「太陽の男たち」を映画化した作品で、難民キャンプからの脱出を試みるパレスチナ難民の苦難が描かれている。

『ぼくの見えた道(2012年/98分)』は、ヨルダンで難民となったパレスチナ人少年ターレクの目を通して、パレスチナ人に押し付けられた不正義などを伝える。

『ジェニン、ジェニン(2002年/54分)』は、イスラエルで上映禁止になった「ジェニンの戦い」を題材にしたドキュメンタリー。モハンマド・バクリ監督がジェニン難民キャンプでパレスチナ人の生の声を拾った。

『Upshot(2024年/34分)』では隠居生活を送るパレスチナ人老夫婦を通して、ガザの人々の苦しい歴史が描かれている。

4作品すべてではなく、1部のみ上映の会場もある。AFZは「映画祭の特設ページに各会場のホームページなどのリンクを載せており、上映作品や時間については直接問い合わせしてほしい」としている。

…クリックして全文を読む

Source: HuffPost