2025
10.01

「祖国へ帰れ」はヘイトスピーチ。「帰れって言われるだけ?」と言う人に知ってほしいこと

国際ニュースまとめ

「私たちの身近にあるヘイトスピーチ」より「私たちの身近にあるヘイトスピーチ」より

9月下旬放送の討論番組で、司会者がミックスルーツの出演者に投げかけた発言に批判が上がっている。

日本と中国にルーツがある出演者が、SNSなどで「中国に帰れ」と何度も言われるという自らが受けている差別について語った。これに対し、司会者は「どういう差別を受けるの?」と尋ねた。出演者が「そういった(中国に帰れといった)言葉による差別です」と答えると、司会者は「中国に帰れって言うだけ?いや、中国に帰れって言うだけなの?」と繰り返した。

排除をあおり立てる表現は「ヘイトスピーチ」

人種や民族、宗教、性別など、特定の属性に対して憎悪を表明したり、差別を助長したりする表現は、「ヘイトスピーチ」と呼ばれる。

法務省はヘイトスピーチについて、「特定の国の出身者であること又はその子孫であることのみを理由に、日本社会から追い出そうとしたり危害を加えようとしたりするなどの一方的な内容の言動」だと説明

また国連広報センターは、「人の内的属性(人種、宗教、ジェンダーなど)に基づいて、ある集団や個人を標的とし、社会の平和をも脅かす可能性のある攻撃的言説」を指すとしている。

「祖国へ帰れ」「◯◯人は出て行け」のように、特定の民族や国籍の人々を、合理的な理由なく一律に排除・排斥することをあおり立てるものはヘイトスピーチに含まれると、法務省は公式サイトに明記している。このほか、「◯◯人は殺せ」のように特定の民族や国籍に属する人々に対して危害を加えるとするもの、昆虫や動物に例えるなど著しく見下す内容のものも、ヘイトスピーチに当たる。

「存在自体を否定するもの」裁判で賠償命令も

ネット上で「祖国へ帰れ」などの差別的な投稿をした人が、裁判で損害賠償を命じられたケースもある。

川崎市の在日コリアン3世の女性が、ネットへの差別的な投稿で精神的苦痛を受けたとして投稿者に損害賠償を求めた裁判で、横浜地裁川崎支部は2023年10月、投稿者の男性に約190万円の支払いを命じる判決を言い渡した

判決によると、男性は自身のブログに、女性を名指しして「日本国に仇(あだ)なす敵国人め。さっさと祖国へ帰れ」と書き込んだ。判決は、投稿がヘイトスピーチ解消法の「不当な差別的言動」に当たると認定した。

「祖国へ帰れ」との表現については、「日本で生まれた原告が地域社会の一員として過ごした人生や存在自体を否定するもの。名誉感情や個人の尊厳を害した精神的苦痛は非常に大きい」と判断した。その後、一審判決が確定している

「ヘイトクライムはヘイトスピーチから始まる」

ヘイトスピーチは、どれほど危険であるのか。国連広報センターの動画が、そのことを伝えている。

動画では、元国連ジェノサイド防止担当特別顧問のアダマ・ディエンさん(現スーダン人権専門家)が、「ヘイトクライムはヘイトスピーチから始まることを誰もが覚えておかなければなりません」と訴えた。

アダマ・ディエンさんは、ルワンダでのツチ族に対するジェノサイド、ナチス・ドイツによるユダヤ人のホロコースト、ミャンマーで起きているロヒンギャの人々に対する残虐行為を挙げて、いずれもヘイトスピーチから始まったと指摘。

「言葉は人を殺すことを、私たちは心に留めておかなければなりません。言葉は銃弾のように人を殺すのです。だからこそ次世代がともに平和に暮らすことの大切さを理解するように、あらゆる努力を払って教育と若者に投資することが必要なのです」と述べている。

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Source: HuffPost