海に眠る白き荷、CIBが暴いた麻薬の航路

2025
09.30

タイ警察中央捜査局（CIB）は、南国の波間に潜む密やかな影に鋭く切り込んだ。プーケット県沖、静寂をたたえた水面の下に隠されていたのは、国家の根幹を揺るがす白い粉。覚醒剤約502キロとケタミン600グラムが、タイ国籍の漁船に積まれていた。

この作戦には、水上警察本部、麻薬取締委員会、そして海軍が連携。出入港の記録もないまま、燃料を過剰に積み込んだ一隻の漁船が、海を滑るように漂っていた。乗員たちは一様に沈黙し、何かを隠しているようだった。

CIBの捜査官が船上に踏み込むと、1人の男が海に飛び込んだ。救助されたが、その意識が戻ることはなかった。船内からは、覚醒剤20袋とケタミン、拳銃、弾薬が静かに、しかし確かに発見された。

それは逃避の手段だったのか、または取引の最終段階だったのか、いや、そんな問いなど意味はなさない。

取り押さえられた乗員たちは、法のもとに引き渡された。暗い海に浮かぶ白い荷に、CIBの光が届いたとき、沈黙の中の罪がかすかに揺れた。

タイ中央捜査局（CIB）
プロフェッショナルで中立、国民と共に。