2025
08.22

「ジェノサイドで利益」と国連特別報告者が名指ししたイスラエル企業からのドローン輸入に、抗議の声。「露骨な共犯行為だ」

国際ニュースまとめ

海外物産の事業所前で、イスラエル製のドローン輸入に反対の声を上げる抗議行動の参加者海外物産の事業所前で、イスラエル製のドローン輸入に反対の声を上げる抗議行動の参加者

イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃と物資制限で、多数の民間人が殺害されている中、防衛省はイスラエル製の小型攻撃用ドローンの輸入を検討している

イスラエル製のドローンを購入しないよう求める抗議行動が8月21日、輸入代理店である商社「海外物産」の東京ヘリポート事業所前(東京・江東区)で行われた。

実証試験の契約金額は「1円」

防衛省は2025年度予算に、小型攻撃用ドローン(1機種、310式)の取得経費として32億円を計上した。これまでに、イスラエル製4機のほか、オーストラリア製2機、スペイン製1機の計7機種の実証試験を実施している。今後、一般競争入札を経て選定する方針だ。

防衛省は、小型攻撃用ドローンを性能に応じて I、II、IIIに分類しており、本年度はI型の取得を想定している。武器取引反対ネットワーク(NAJAT)などによる5月の防衛省交渉で、実証試験を終えたイスラエル製の候補機のうち、I型に当たるのは「ROTEM L」と「Point Blank」(いずれも製造元はイスラエル企業の「イスラエル・エアロスペース・ インダストリーズ」)の2機種と判明した。

この2機種の輸入代理店は、商社の海外物産(本社・東京)だ。防衛省によると、同社が2024年に防衛省と結んだ実証試験の契約金額は、いずれの機種もたったの1円だった。

「ジェノサイドに手を貸すな」企業に抗議

「ジェノサイドに抗する防衛大学校卒業生の会」の平山貴盛さん「ジェノサイドに抗する防衛大学校卒業生の会」の平山貴盛さん

「日本が税金でイスラエル製ドローンを取得することは、ジェノサイドと民族浄化への露骨な共犯行為だ」として、防衛省の一般競争入札に参加しないよう海外物産に求める抗議行動が8月21日に行われた。

参加者たちは、パレスチナの旗などを掲げ、「イスラエルのドローンを買うな」「ジェノサイドに手を貸すな」などと声を上げた。

主催団体の一つで、「ジェノサイドに抗する防衛大学校卒業生の会」の平山貴盛さんは、「日本政府は『ガザの人道状況を懸念する』と繰り返すばかりで、制裁には一切踏み込もうとしません」「政府や防衛省、自衛隊、そして海外物産を含む代理店企業は、イスラエルの軍需企業から武器を買うという深刻な虐殺の加担すら躊躇していない」と批判した。

ハフポスト日本版は海外物産にコメントを求めたが、期限までに回答はなかった。

国連特別報告者「ジェノサイドが利益を生む事業に」

パレスチナ地域に関する国連特別報告者で、国際法と人権を専門とするフランチェスカ・アルバネーゼ氏(2025年7月29日)パレスチナ地域に関する国連特別報告者で、国際法と人権を専門とするフランチェスカ・アルバネーゼ氏(2025年7月29日)

パレスチナの人権状況に関する国連特別報告者のフランチェスカ・アルバネーゼ氏は6月末、「占領経済からジェノサイド経済へ」と題する調査報告書を公表した。この中で、イスラエル・エアロスペース・ インダストリーズ(IAI)は、ジェノサイドで利益を得ている企業の一つとして名指しされている。

国連特別報告者は、国連人権理事会が任命する独立した人権の専門家。個人の資格で人権侵害に関する調査を行い、報告書の作成や助言といった任務を果たす。

アルバネーゼ氏は報告書で、ドローンなどがガザの空に常に存在する殺人マシーンとなっており、主にIAIや同じくイスラエルの軍需大手のエルビット・システムズによって開発・供給されてきたと指摘。「エルビットやIAIのようなイスラエル企業にとって、現在進行中のジェノサイドは利益を生む事業となっている」とした。

その上で企業に対して、パレスチナの人々への人権侵害を助長し、引き起こしている全ての事業活動を即座に停止して関係を終わらせることを求めている。

(取材・執筆=國﨑万智)

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Source: HuffPost